2010年09月27日

第1話のその2  あらすじ追加! 

<2008年夏。尾道の野球場。ブラスバンド部で野球の応援をしているが、チームは敗色濃厚のようだ。だがひとり諦めずにトランペットで応援をリードする主人公:村上あかり。
(思い込んだら一直線。こういうやんちゃな子のことを、尾道では「がんぼたれ」言うらしいですわ)
と中村玉緒のナレ。
(この子が、まあるいお好み焼きを焼くようになるまでの、長い物語、どうぞお付き合いくださいますよう)

野球の応援の後、仲間たちと丘の上の公園のようなところでくつろいでいるあかり。試合はボロ負けだったが、楽しかった!と満足そうである。
そこへ教師が通りかかる。
「村上! 兄貴の方じゃ!」
補習をまたサボっただろう、また留年するぞと言われているあかりの兄:鉄平。兄だが留年して同じ学年にいるらしい。兄をからかうあかりも教師に呼び止められ、進路調査票が提出されてないと叱られる。
「お前、まーだトランペットで食っていきたいなんて夢みたいなこと考えとるんか」
「はい!夢を大事にせえいう先生の教えをちゃんと守って!」
「いいかげん現実を見んか、村上!」
自転車で走り去ってしまうあかり。

一方、街と海を見渡す高台にある、瀟洒な建物。店主が庭で花に水をやっている。古道具屋のようである。初老の女性が、トランペットのケースを複雑な顔で撫で、ついていたテントウムシのようなマスコットを手に取る。ケースを開けてトランペットを取り出す女性。
「どうです?」
と店主。
「間違いありません…。娘のです」
女性はケースの中にあった写真のようなものをとりあげてじっと見る。
(今から思えば、このトランペットが、すべてのはじまりやったんですなあ)

元気一杯で坂だらけの尾道の街を自転車で走るあかり。
(お寺の鐘と、鉄板を叩く音を子守歌代わりに、この子は育ちましたんやなあ」

若い住職が
「おいあかり!スカートの中見えてるぞ!」
などとからかう。

渡し船のつく港まで来て、自転車を押しながら
「現実、かあ…」
とつぶやくあかり。
(うーん、もうすぐ18歳。将来もちゃんと考えななあ…)
「まいっか!」
(おぃ!)

その時あかりの目に、港の突端に立つ女性の姿が入ってくる。古道具屋にいた人だ。
「ん?」
女性は手にトランペットを持っている。

と思うと、彼女はトランペットをふりかぶり、海に投げ込んでしまった。
「え”〜〜!!ちょっと!!」
悲鳴のような声をあげると同時に駆け出し、そのまま一気に海に飛び込んでしまうあかり。驚く女性。トランペットを持って浮き上がってきて
「なにするーー!!」
と叫ぶあかり。
「そらこっちの言うこっちゃ! あんた、アホちゃうか!」

なんとか上がってくるあかり。
「あんた何考えとるんじゃ」
「それ聞きたいんはこっちですよ!」
「ほしかったらあげるさかい、持っていき」
「ちょ、ちょっと待ってください。うちがこれをもらう理由はありません!」
「うちはそれを捨てた。あんたがたまたま拾った、それだけのこっちゃ」
「ちょ、ちょ、可哀想じゃないですか。これ、楽器ですよ?海に沈められたら、もうだ〜れにも吹いてもらえん。学校のより…ええもんみたいじゃし…」
「あんた…ラッパ吹きか」
「はい!」
「…ラッパなんかにうつつ抜かしとったら、ろくな人生おくられへん!!」
突然の剣幕で大声を出す女性。
「ろくな…?」
呆然とするあかり、それをよそにスタスタ歩き出す女性。再び追いすがり
「どういう事情かしらんけど、これはおばあちゃんのものです。大事にしてあげてください!」

そう言ってあかりは去ろうとするが、背後で女性はまたしてもトランペットを振りかぶっていた。ふりむいて
「ええええ〜〜〜!!!」
またしても海にダイブするあかり。

「こんなん、絶対、間違ってる!音楽の神様のバチが当たる〜!」
水面でゼエゼエいいながら叫ぶあかり。
「音楽の神様なんかしらん!そんな腹の足しにもならんもの、何の役にもたたんわ!!」
そう言い捨てると女性は、まだ水面に浮かんでわめいているあかりを尻目にさっさと去ってしまう。

尾道水道を渡った向島にあかりの家はあるらしい。
船で濡れた制服をしぼりながら
「なんじゃあのばあちゃん、まるで”ベッチャー”や」
と憤然としているあかり。

あかりの父親:錠は村上鉄工所を自営している。船のスクリューらしきものを作っている。妻の真知子がやってきてその仕事ぶりを褒め、錠も上機嫌だ。
そこへあかりが帰ってくる。ずぶ濡れの姿を見て驚く両親。

「とんでもないばあちゃんがおってね、これ、いきなり海に捨てよったんよ!」
「ははは、そんで海に?」
「ほうよ、ほんでね、ほんでね!」
「話はあと!早く着替えんさい!もう〜後先考えんと!」

だが真知子は、奥へ行くあかりが持っているトランペットのケースについていたテントウムシらしいマスコットに目を留める。見覚えがあるようだ。

駅。例の女性が立っている。手にしているのはトランペットのケースから取り出した写真であろう。それをじっと見つめ、ため息を付き、来た電車にも、ためらいながら結局乗らずにやりすごしてしまう。

夜。村上家では「名物」の巨大なてっぱんをセットしてお好み焼きをやるらしい。このてっぱんも船の廃材を利用して錠が作ったものだ。てっぱんに5つの丸を広げる真知子。
(村上家のお好み焼きは、広島から嫁いできたお母ちゃんの味と、海の幸を豪快に使うての尾道の味の、ええとこ取り)

長男は欽也も勤め先から帰ってきた。
家族5人でにぎやかに鉄板を囲む村上家。
軽口を叩き合ってじゃれあうような次兄鉄平とあかり。
「いらいらするんは、鉄分が足りん証拠じゃ」
と錠。
「ほんまお父ちゃんは、なんでも鉄につなげる」
と笑うあかり。
「地球の重さの3分の1は、鉄が支えとる。地球は鉄の惑星じゃ。じゃから人間にも鉄が大切なんじゃ」

二人とも進路はどうするの、と真知子。欽也は勤め先の信用金庫に空きがあるというが、
「ムリムリ。数字は天敵じゃ」
とあかり。あかりは吹奏楽部のある大学を探しているという。
「ゆくゆくはトランペットで食ってく気?」
と鉄平。
「うん、ま、夢じゃけどね」
「あかりのトランペットは元気がでるけんの」
と錠。

さっきのトランペットはどうしたの、と真知子が尋ねる。
「ほうや!もう、聞いてくれる? そりゃおっとろしいばあちゃんがおってね、…まるでベッチャーよ。なんかトランペットに恨みがあるみたいでね、海に投げとったんよ!」
「ふーん。ほんで?」
「ほんでね、うち…」
そのとき玄関でチャイムがなる。
「あ、うち出るわ」
あかりが玄関に行く。玄関を開けて
「…出た!」
なんと立っていたのはトランペットを投げ捨てた女性だった。2人とも呆然とする。
「ベッチャー…」
つい口に出してしまうあかり。
「ベッチャー?」

鬼の面をかぶって太鼓を叩くシーンが挿入される。

目を丸くしているあかり。
何も知らずお好み焼きを焼いている村上家。
(こうなることは…ま、決まってたことなんやけどな…)とナレ>

このあらすじを書き起こした今は、始まって1ヶ月後、すでにドラマも29回を見た10月末である。

私自身、「元気で何事にも一直線のヒロイン」と事前の番組宣伝で聞いたときは、なんとなく半目になってしまう気分でいた。だからこの第1話放映当時にもドラマをわりと斜めに構えて見ていたのである。だから初音さんが古道具屋でトランペットに出会うシーンも見落としていた。ツィッター上でそのシーンのことが話題になったので改めて見てみたのである。

ふむふむなるほど。
あたりまえだが、第1話にはちゃんとその後の展開の伏線…いや伏線と言うか、普通のお膳立てがちゃんとなされていたんだな。
先生が「いいかげん現実を見ろ」といい、あかり自身も「現実かぁ…」とつぶやいているが、すぐに「まいっか」とやりすごしている。
だがこの直後に、とんでもない「現実」と直面することになるのだ。
そう思うとこの先生の台詞も、単によくある台詞として書いているんじゃないことが分かる。

そんな「現実」には自分を支配させない…というか、「現実」がどうあれ、幸福は自分の意志で作っていくものなのだ、というメッセージがこのドラマにはあるように、29回見てきた今では思うが、だからこの台詞はますます重みがあるのだ。

ゲゲゲの女房が評判良すぎて視聴率もよく、でものドラマはゲゲゲ好きの層には受けないのでは、と思ったが、その予想は半分は当たったが半分はそうでもなかった。ゲゲゲ恋しさのため(と思ってしまうが)このドラマは受け入れられないと早々に判断して見なくなった人々も多かったが、それでも「ん?」と思ってとりあえず見ていた人たちが次第に引き込まれていっているように(少なくともツィッター上でタグで語る人たちは)思える。

しかし改めて第1話を見て、細かい部分がちゃんと後に生きる設定になっていることに感心し、やはりあまり早まって判断するものじゃないよな、と思ってしまう。今でもまだ、なにか腑に落ちない点を取り上げて、脚本がおかしいかのように言う人もたまに見受けるが、あんまり早まって文句言うとあとで「あらら」ということになるよ〜、と密かに思ったりしている。
とはいえ、そこまでじっくりたんねんに見る人は少ないだろうし、そういうことを期待する時間帯でもないしな、と思うと、例によってもったいない気もしてしまうのだった(とはいえ夜のドラマより視聴率は基本的にいいんだよね)。私自身はドラマをじっくり味わえる境遇で(朝はさほど忙しくない)ラッキーとつくづく思う。


posted by おーゆみこ at 12:00| Comment(1) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

てっぱん第1話 とりあえず雑談

悪くないと思う。元気いっぱいで無鉄砲でまっすぐな主人公はまさに朝ドラの王道ではあるが、トランペット投げ捨てちゃうばあちゃんは強烈だな。それも2回も。
主人公あかりの飛び込みっぷりも豪快でいい。それも2回も。

ただ、ゲゲゲがあれだけ受けたのは、前項にも書いたとおり、がむしゃらに頑張ったり突っ走ったりするエネルギッシュな姿が、少なくとも朝ドラの主人公としては「あるべき」姿だと思われているような、つまり世間的にもみんなで「がんばらなくっちゃ!」と力む状態に、多くの人が疲れてしまっている、っていう要素もあったと思う。その点では、またぞろ「がむしゃら系」の主人公、プラスして我の強い(ように見える)おばあちゃん、では、離れる人もいそうな気がしてしまうなあ。
もっとも、私にとっては視聴率なんてどうでもいいけどね。というかむしろ、前作の視聴率が良すぎたことをある種危惧(?)すらしていたので、またも大人しい夫唱婦随型主人公路線でいき、その上でまた視聴率がいい…とかは個人的にはかえって嬉しくないのでちょうどいいかも。とはいえあらためて思うなあ、これまででいちばん個人的に共感して思い入れられたヒロインは喜代美だなあ、と(てるてるの冬子とかつばさもまあまあよかったかな)。

初回は別にさして書くこともないのはいつものことだ。
「同学年のお兄ちゃん」鉄平役、かつてのカンジくん、そしてチビ草々だった森田君が出ているのが嬉しいが、公式ページの彼の紹介を見て、ふと思った。この子は照英の子供時代役とかやったらいいんじゃないのかな。似てる気がする。
はい、激しくどーでもいいですね、すみません。

個人的には、中学高校とブラスバンド部だったので、トランペットに思い入れる主人公というのはちょっと期待もしている。
かつて「ほんまもん」で最初にヒロインが森でファゴットを吹く場面があり、「お?」と期待したが、その後ひとっつもファゴットは出てこなかった。あれはどうやら森とか木とかの「雰囲気」を出すアクセサリだったようで、ちょっとがっかりした記憶がある。ファゴットってそんな簡単に吹けるようにならないし、そもそもものすごい高価なのになあ(ってあまり関係ないかもしれないが、でもやっぱり、アクセサリ的に使えるアイテムじゃないんだけどな、と思ってしまうのだった)。
このドラマでは一応「音楽」も重要モチーフの一つみたいだし。かといって頑張って音楽の道で成功しました、という展開でもないようだし、そういう点でも共感できるなりゆきになる…だろうか?

これまた極めて個人的なことだが、このごろ妙に広島づいている。数年前に、広島に転勤になってそこで結婚したサンバの仲間の結婚式に招待されて広島に行ったときは、そのときまでまっっっっったく関心なかったし(まあ被爆地云々と言うことは別にして)、これからも多分さしたる接点はないだろうと思っていたのだが、ここにきて、その結婚式の彼らはすでに東京に転勤で戻ってきているが、別の親しい友人が相次いで広島に引っ越した。周囲にも広島に旅行に行ってきたという人も妙に多い気がするし。

そして広島風お好み焼き。近所に、カンランという店名の広島風お好み焼きの店があって、気になっていたのだが入ったことがない。というか営業している時間帯に通ったことがない。駅からすごく離れていて、私はいつも通勤の行きのみ一駅分歩くのでそのときに通りかかるのだ。だがいまネットで調べてみると、あんなに駅から離れているのにいつも満席らしい、かなり穴場スポットのようだ。「カンラン」で検索すると、植物の名前を押さえてこの西荻窪の店が上位に来ているし。レビュー記事もけっこう好評のようだし。これは行かねば。
posted by おーゆみこ at 11:29| Comment(4) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月22日

【てっぱん】第102話 優しい手に撫でられて眠りたい #nhk #teppan #drama

プライベートで激動(の予感)があり、そのために気もそぞろ…で、(かつ忙しくもあり)なかなか更新できません。美しいシーンの連続なのに残念。てことで今は日曜の夜ですがやっとこさ金曜分を更新。
****
歌詞が字幕で出た…。

<貧血で倒れてしまったのぞみ。あかりの部屋に寝かされている。あかりは無理させてすみませんと謝るが、自分が何かして居ずにはいられなかったから、とのぞみ。店に戻ろうとしてあかりは
「たまには…人に甘えても、ええと思います」
「………」
「今まで、ひとりでがんばってきたんじゃけ」
「……」
複雑な顔でまた横になるのぞみ。

栄治は初音に、のぞみをここに置いてやってくれと頼む。だが初音は、向こうがなにも頼んでいないのにかえって迷惑ではないかと言う。栄治は
「世話やきたいんや…」
昔世話になった人の娘さんがわざわざ訪ねてきたのが嬉しかった、といい
「心配させてもらえへんやろか…実の娘やと思うて」

あかりはふと、民男の描いた絵を見上げ、
「ぼくの家族な、昔と変わってん。でも今はめっちゃ増えたから、自慢できんねん」
という言葉を思い出している。

ところが初音は、空き部屋がないから引き取れないと断る。

のぞみは起き上がって顔を洗いに行く。鏡を見て、ため息をつき、お腹にそっと手を当てる。

そこへ筆を洗いに笹井がやってきて鉢合わせて驚く。
「絵描きさん…?」
「のようなものです」
「つまり…売れてないんだ」
「分かります?」
「こんなとこ?!」
やや怒気を表す笹井。
「だって、古いし、暗いし…」
「ピカピカですよ。ほらあ!」
廊下の先の光の当たっているところを指さす笹井。
「住めば都ってやつ?」
「はい、やっと見つけたんです」
そしてのぞみがずっとお腹に手を当てていることに気づいて
「お腹痛いんですか?…お大事に」
「いや…具合が悪いんじゃなくて…。…おなかに…子供が…」
笹井は満面の笑顔になり、震えんばかりに
「おめでとうございます!…命ですね」
「………。…ふふっ、おめでたい人!ここに住むと、そうなるの?」
笹井は当惑したような顔になり
「…どうでしょう…」
そこへ滝沢も帰ってきた。笹井になにか頼まれたものを買ってきてやったらしく、それを渡す。それを見た望みは
「あの子の影響? だれでも家族になれると思って、くっつけたがる…」
「それは違うわ」
言い切る滝沢。
「あいつが、要らんことしいの、お節介焼きなんはな…」
滝沢が言いかけたとき、民男が駆け上がってきた。
「酔っぱらいのお姉ちゃんや」
「酔ってない」
「でも二日酔いみたいな顔してる」
「ただの貧血よ」
あかりも上がってきた。
「だ、だめですよ、起きちゃ!」
「だからただの貧血だって!」
「あ、そういえばな、酔っぱらいのお姉ちゃん、この間僕の夢に出てきたで?」
と民男。
「夢?」
「うん。あのでっかいスーツケースごろごろひいてな、そのスーツケースががばって開いて、中から出てきたん」
「何が?」
「赤ちゃん!オギャーオギャーて、可愛かったで」
「………」
黙ってしまうのぞみ、あかり。
(民男)「どうかしたん?」
(笹井)「正夢ですね…」
(民男)「(小声で)どういうこと?」
滝沢は民男を部屋に帰らせ、笹井も気を利かして場を去る。

二人きりになったあかりとのぞみ。
「…小早川さん一人の、身体じゃないんじゃけえ…」
「はあ…。お大事にって…。病気じゃないっていうのに」
「でも、『お大事に』です!」
あかりはのぞみにみかんを食べさせようとするが、のぞみは要らないという。

あかりの部屋のトランペットケースに書いてある「田中千春」という名に気づくのぞみ。
「千春って…?」
「おばあちゃんの、娘なんです」
「それで、昔の店の名前が千春だったの。この人が千春さん?大阪から尾道に嫁いだの?」
真知子の写真を見て言うのぞみ。
「お母ちゃんは…」
「ねえ、もしかして…あなたのおばあさんと仲悪い?」
「え?」
「…そんな気がしたの」
「……」
「ごめん、気、悪くした?」
「いえ…」
のぞみはさらに、立ち去ろうとしたあかりに
「ごめん!嘘なの」
友達の家に泊まっているというのは嘘で、ビジネスホテルにいるのだという。
「彼と別れ話になったあと、ひとりで飲んで…気づいたらあなたの店に向かってた。ほかに…行くとこなかったから…。自分から彼を取ったら…なにも残らなかった…。あんな奴!」
「…相手の人には言わないんですか?」
「…何を?」
「…その…」
「…なんて言うの。責任とれ!って?」
「それは…」
「大丈夫、あなたが心配することじゃない」
のぞみはあかりが持ってきたみかんを取り、いたずらっぽく笑ってみせる。
あかりはうなづいて部屋を出る。
BGMが歌う。
Now it's time to say good night
Now the turns out his light
Good night, sleep tight
Dream sweet dreams for you
Close your eyes and I'll close mine
Good night, sleep tight
Now the moon begins to shine
Good night, sleep tight
Dream sweet dreams for me
Dream sweet dreams for you

あかりは部屋の外でしばし立ち尽くしている。
のぞみは、悲鳴にも似た大きなため息をついてふとんをかぶる。その声に振り向くあかり。そのまままたずっと立ち尽くし続けるあかり。
そしてすすり泣き始める。

初音も気になってしまう。
お腹の大きな千春の写真を見やる初音>

以前、ちりとてで草々が師匠を想って枕を抱いて泣いていたとき、「聞かせてよ愛の言葉を」というシャンソンがBGMで流れたときのことを思い出した。
そのときは字幕の放送を見なかったが、あったのだろうか、歌詞の字幕?
優しい囁くような歌。
「お眠りなさい、すてきな夢を見て…」
寂しくて苦しくて混乱していても、「夜は寝るもんや」「嫌でも朝が来る」。

でも、本当に苦しいと夜眠れない。そういうとき、優しく「おやすみなさい…」と囁いて、撫でてもらえたら…。実際の手に撫でてもらうことがかなわなくても、声や言葉で撫でてもらえたら…。
とりあえず少しだけ安心して、少しだけでも眠り、そのことによってだんだんに癒されていく。

それでまた人は歩き出せる。

あかりが言った
「たまには人に甘えてもいい」
もちろん全面的に賛成だ。四六時中甘え、甘やかされているとしたら問題だが、普段は自分の力で顔を上げて歩いて行こうとしている人が、ときに疲れて辛くなってしまったとき、そうやって撫でてくれる手が(比喩的であれど、ともあれそんな存在が)あれば、傷は癒え、また立ち上がれる。
前にも書いたが、そうせずにいていつのまにか満身創痍となり、自分でもはや立ち上がれなくなってしまう人もいるのではないか。そうなってしまったら、人に寄りかからなければならなくなる。
そう、少しだけ撫でてもらうだけでいい。
甘えさせてやる側だって、すべてをかぶったり引き受けてしまうことはできない。そんなことをしたら潰れてしまう。
自立した人々が、お互いに、ときに少しだけ、よりそって撫でてやり、撫でられる。

滝沢君が言いかけたことも気になるな。
あかりの「お節介」は、以前にも何度も書いたが、決して「人ごと」に、いわば好奇心から鼻を突っ込んでいるのではないのだ。彼女自身の存在の手応えを求める切実な気持ち。自分のことと無縁ではないのだ。ましてやのぞみのいまの境遇は、いや正確にはのぞみのお腹の子の境遇は自分であるかもしれない。

それにしても、みんな言っているが、ドラマと言うより映画のような深みのあるシーンと音楽…。あまり映像関連に興味を持たない私であるが、こういうのは画質のいいテレビで見たいものである。うちのアナログテレビではちょっといまひとつだが…。




posted by おーゆみこ at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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