2010年10月12日

第14話 けつまずくことこそがキモ #nhk #drama #teppan

栄治さんのサブいギャグが…(^.^)。「せわ、へや」はアドリブ(つか素で引っかかったとか?)?

<お腹を空かせて歩いているあかりは、偶然、かつおぶし会社「浜勝」の前に来た。かつて大阪に来たときにバンドに引きずり込まれて一緒に吹いた浜野が社長をしている会社である。
浜野に事情を話し、雇ってくださいと訴えるあかり。

「なあ、”おのみっちゃん”にとって、食べることってなんやねん」
と浜野。その拍子にあかりのお腹がグルグルキュ〜と鳴る。
「人生で一番大切なこと!です!」
「よっしゃ!採用!」
「え?い、今の、面接じゃったんですか?」

そのとき、事務員の松下小夜子が入ってきてあかりの荷物にけつまずいて転ぶ。あかりに明日から来てもらおうと思うと浜野が言うのを聞き、そんなお金がどこにあるんだと露骨に不満顔。

だがともあれ浜野はあかりを階下の作業所に連れていき、
「あとは住むとこやな、いえのない子は雇われへんて小夜子さん言いそうやし」
「お願いします!」
浜野は、かつおぶしを削って30年の神田栄治にあかりを紹介し、この辺に住むところないかと相談。
「それやったらあそこあるわ」

栄治が連れていったところはなんと、初音のところだった。
顔を合わせて呆れる初音。
「あんた!」
「ん、知り合いか?」
「……知りまへん」
「おばちゃん、この子にせわ、へや…。いや、部屋世話してもらえまっか。ほなよろしゅうたのんます」
さっさと去ってしまう栄治。

だが初音は、今部屋が埋まったところだという。それは嘘ではないらしく、布団を運んで入ってきた男にあかりは突き飛ばされてしまった。当たっといて、あやまりんさいよ、とあかりは抗議するが
「声…でかすぎ」
と男は不機嫌そうに言っただけでさっさと部屋に行ってしまう。

あかりは必死で初音に食い下がる。部屋の片隅でもいいからなんとか置いてくれ、と。
そこへ長谷川伝がやってきて、なんだやっぱり知り合いやったんか、などとのんきに言い、とりあえずあかりも自己紹介の挨拶などしている。
だが初音は、あいさつなんかせんでええ、ご縁がのうて、すんまへんな、と慇懃無礼に断りつづける。
「あんたの部屋においてやりゃええやないか、娘が帰ってきたと思うて…」
と伝。
「娘はもうこりごりや」
「今日中に住むとこきまらんと、あしたからかつおぶし会社でえ!」
そこまで言って、あかりのお腹がまた激しく鳴り、あかりはヘタヘタと座り込んでしまう。
「お、おなかが空いて…」

尾道。加奈が村上鉄工所に走ってくる。鉄平に、「あかりがつかまらない」と訴える。鉄平は、まだ仕事中じゃないのかというが
「あ…そのことなんじゃけどね…」
そこへ真知子がやってくる。
「うちもこんなことになっとらんかったら、心配せんて!」
と加奈。
「こんなことって?」
と真知子。
そこへ欽也が駆け込んできた。

「大変じゃあ…。あかりの会社がつぶれた…」
信用金庫に不渡りを出した旨の通達があったという。
「加奈ちゃん…もしかして…あかりから聞いとった?」
と真知子。
「あかり…仕事も住むとこもなくなって…けど、自分でなんとかするけえ、家の人には言わんで、って…。ほじゃけど、うち…」
「もっぺん、あかりに電話じゃあ!」
と鉄平。

あかりは初音の作ったらしいうどんとおにぎりを食べ
「う〜〜〜ん!おいひぃ〜〜〜!」
「………」
複雑な表情で見ている初音。
「なんで、こんなに美味しく作れるんですか?」
「まずいもんは、よう作らん」
とりつく島のない初音。
「食べたら出て行ってや」
だがあかりは
「お願いします!ここに寝させてください!」
あくまで食い下がる。
「うちと一緒に寝起きするいうんか?」
「はい。このままでは尾道に帰れん。ここに住ませてください」
「あかん言うたら諦めんのか?」
「いいえ。諦めません」
「………。下宿代は、きっちり払ってもらいまっせ」
根負けした初音。
「ええんですか!ありがとうございます!」
「止めても無駄なんやろ…? あんたぐらいの年頃の子は…言い出したら聞かへんさかいな…」
心なしか寂しげな顔になる初音。

初音が立ち去ってから、あかりはやっと携帯の点滅に気づく。
「加奈?」
「あ!やっと出た!もう何度もかけてたんよ!」
「ごめん、ばたばたしとったんやけど…。どうなるかと思ったんだけどね、仕事も、…住むとこも、なんとかなりそうなんよ」
「ほんまに大丈夫なんじゃね?」
加奈の周りに真知子も鉄平も欽也も集まってきている。真知子が小声で
「ちゃんと食べとる?」
と聞くと、加奈はそれを自分で言う。
「あかり、ちゃんと食べとる?」
「うん、ちゃんと食べとるよ」
鉄平が声を出さずに、頑張れ、という仕草。
「あかり、尾道から応援しとるけえね」
「…ありがとう。うち…大阪で頑張ってみるけん」

食べ終わったあかりは台所に食器を下げ、初音に、なにか手伝いましょうかと声をかけるが、これは私の仕事、下宿人は口出しするなとにべもない初音。
そこへ、あかりをかつて町内会のバンドにひっぱっていった張本人の「ジェシカ」が帰ってきた。
「ジェシカさん!」
慌ててあかりを止めるジェシカ。
「大きな声でいいなや、ジェシカは芸能活動するときの名前や、本名は西尾冬美。今日入ってくる新しい人ってあんたのことやったん?」
「あ、いえ、うちはあそこに間借りさせてもらうことになって…」
初音の部屋の隅を指さすあかり。
「うそ!大家さんの部屋に住むん?ひょっとして知り合い?」
「あ。いえ、あの」
「あいかわらず、道頓堀のネオンみたいな服着てますな」
と割ってはいる初音。
「芸能人は目立ってなんぼですから」
「よう人前に出ますわ、そんなけったいな大阪弁で」

「……。あの大家さんと同じ部屋で寝るて、すごい度胸やな…」
(グフフフフ…ほんまや)とナレ。

布団を敷いている初音とあかり。
「下宿人にいらんこといいなや」
「いらんことて?」
「うちとあんたのことや。うちに、孫はおらん。次ばあちゃん言うたら、出てってもらいまっせ」
「言わんかったら、おってええんですね?」
「へりくつ言いなはんな」
「…なんて呼んだらええんですか?」
「あんたうちのこと、ベッチャー、呼んでましたな」
「あれは!」
「鬼ばばあのところに自分から飛び込んで、どういうつもりや?」
「…すみません…」
「尾道の家族かて、ええ顔せんやろう」
「………」
「なんで大阪なんか来たんや?」
「逃げたく…なかったんです」
「……」
「千春さん、ここに住んどったんですね」
「…もう寝まっせ」
電気を消す千春。

(分からん二人やけど、これからどないなるんやろ…。ゆっくりお休み)とナレ。
だが2人とも寝付きにくいようだ>

最近はツィッターでつい#teppanというタグで関連ツィートを追ってしまっている。ゲゲゲのときのように賛辞一色という感じではないが、けっこう掴まれている人も多いようで嬉しい。でも案の定、「ご都合主義」とか「展開が無理矢理」とか言う感想も多いようだ。
風のハルカのときとかもそういう感想は多かったような気がするな。でも私はドラマはファンタジーでよいという持論なので、そういうのはあまり気にならない。いやもちろん気になるときもあるが、少なくともこのドラマでは気にならない。よくできたファンタジーであればいいのである。
それに、いろんな人が突っ込むポイントが実は、それなりに「伏線」であったりすることもあるようだ。不注意ではなく確信犯的にズラしている。

引っかかるところ、けつまずくところこそが、このドラマにとって大事なところ、と私は感じる。すいすいと進むところは割にどうでもよいのである。なんだよそれ、と思う。そこが実はポイント。普通そうじゃないでしょ?と思う。だからこそ取り上げる。だれだってみんな「普通」じゃ実はない。みんなそれぞれだ。平均的という概念はあっても、平均だけで構成されている人はいない。人(自分含む)が普段は「あたりまえ」と流してしまうところに、いちいちなんかしらでっぱりを作ってけつまずかせる。
朝からそんなのしんどい、という声もあろうが、それで目覚める!という感覚もある。
なによりも、どの「けつまずき」も、決して嫌なネガティブなものをはらんでいない。一見ネガティブな事象が実は大切な気づきの機会。そう思えばすべてのものが愛しくなり、そういう姿勢でいれば自分は決して不幸にならない。

今朝茂木健一郎さんのツィートで
「何かをしようとして、思いもかけぬトラブルが続くと誰でもいらいらする。しかし、見方を変えれば偶有性の恵みが訪れているのである」
というのがあった。
いつものように流れていくところには変化も訪れない。トラブルは次の扉を開けるステップだ。

このドラマに感じるのはそういう前向きさ。単にがむしゃらというより、冷静な幸福への意志。

不自然であれなんであれ、そういう意志を感じるので私は全然嫌じゃない。ひっかかるのが楽しい。

加奈との電話の周りに家族が集まって、でも決して自分からあかりとしゃべると言い張らず、あかりの意思を尊重しているところが今日は一番印象的。
「普通」ならそうはならないだろう。家族に言わないなんて水くさい、応援はするけどせめて話してよ、ぐらいのことは言いそうである。あれだけじゃ心配はなくならないしね。
でもたぶん、ここで家族と話したらかえってあかりの気持ちはくじけてしまう。尾道の家族は(錠はいなくてこの際良かったはず)それがきっと分かったのだ。少なくとも加奈には本当のことを言って連絡を取っているのだから、いざというときはなんとかなる。深い信頼感があってこその行動。

初音の真情も、わかりにくいところはあるが
「尾道の家族もええ顔せんやろう」
が一番の芯なのだ。
初音さんは自分の罪(と思い込んでいるもの)を背負う覚悟なのだと思う。じゃけんにするのも、その覚悟が崩れるのが怖いのだ。そしてこれ以上誰かを傷つけてしまうことになるのが怖いのだ。
だがあかりの方にはそこまでの屈折はない。尾道の家族との絆は確信できた。そうなれば、実の母親、そして実の祖母にたいする自分の思いも確かめたくなる。無意識のうちに惹かれているはずである。

表面的にすじだけ追ったり、登場人物のせりふを単に文字通りに受け取ったりしているだけでは分からないことがたくさんある。こういうドラマが大好き。


posted by おーゆみこ at 14:21| Comment(1) | TrackBack(1) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月09日

第12話 あらすじも端折れません #nhk #drama #teppan

欽兄、グッジョブ過ぎ。(T-T)

<春。大阪への就職を決めたあかりも、卒業を迎えた。だが加奈は音大の推薦入試に失敗したようである。だが鉄平をつかまえて、おちこぼれ同士記念写真、とはしゃぐなど、落ち込んではいない。鉄平は「就職浪人」なのだった。

あかりはもう翌日に出発するというのに、錠はまだ未練たらたらで、フェリーの受付の女の子が結婚退職するらしい(ので代わりにあかりはどうか)などとこの期に及んで言っているが相手にされない。あかりは屈託なく、使っていたものさしを錠に挙げてしまったりしている。呆然としてしまう錠。布団の袋を運びながら、父ちゃん泣いとるんか、などとからかっている鉄平。あしたの見送りは号泣じゃな、と言われ
「あしたは進水式があるけん、見送りにはいかれん」
ええ!と驚くあかりと鉄平。
「仕方なかろう、わしの鉄板が船に使われとるんじゃ」
「まったく、町工場のオヤジが出んでも、ナンも問題なかろうに」
「!」
気色ばむ錠。おまえに何が分かる、毎日ぶらぶらしとるもんに言われとうない、と怒鳴る。慌てて割ってはいるあかり。
錠は機嫌悪げに立ち上がり、篠宮造船に行ってくる、準備があるので今日は帰らない、と言い捨てて去る。明日大阪に行く最後の夜なのにとあかりは悲鳴のような声を上げるが錠は行ってしまった。複雑な表情の鉄平。

そこへ帰ってきた欽也はあかりと鉄平のそれぞれに通帳を作ってきていた。
あかりの通帳には独り暮らしを始める選別として10万円も入れてくれている。だが
「兄ちゃん、なんで俺のは、いち、じゅう、ひゃく、せん…千円なんじゃ!」
「進学も就職もせんやつは、それで十分やろ」
すると真知子が
「そんなに責めんといてやって…。なんも考えとらんわけじゃないんよ」
と立ち上がって何かを引き出しから出してくる。
「ねえ!あとは社長面接を残すだけじゃ」
稚拙な文字での手書きで「履歴書」とあり、志望動機には村上鉄工所で父ちゃんの後を継ぐ、云々と書いてある。
「鉄兄!」
「…ほうか!」
と欽也。
「親は子供がそばにおったら嬉しいもんやて、お父ちゃん言うとったけんの」
少し照れくさそうな鉄平。

造船所に行く欽也と鉄平。進水式を控えた船のそばで
「鉄平、どこが父ちゃんの作ったとこか分かるか」
と欽也。
外からは見えん。外からは見えんでも、目立たんでも、父ちゃんの鉄板がなけりゃ、この船は動かん。世の中のたいていの仕事がそういうもんじゃ。そこにプライドを持ってるもんが…世の中を支えとる」
船の鉄板を思いを込めるように外側からさすったり叩いたりしてみる鉄平たち。

錠は、久太のいる事務所で酒を飲んでいた。欽也と鉄平が入っていく。
「父ちゃん、ちょっとええか」
と欽也。
「今夜は帰らん言うたやろ」
と錠。
欽也は黙っている鉄平を促し
「あとは自分で言い」

「なんじゃ?」
「…おれ…弟子になろう思う」

「弟子?弟子って、どこの誰のね」
と隆円。

「村上鉄工所の、村上錠のじゃ!!」
叫ぶ鉄平。

「ほうか!良かったの、錠ちゃん!」
と久太。
「………」
錠は黙ったまま、じっと鉄平の顔を見る。
「何が…なに今更…勝手なこと…」

そのとき外からトランペットが聞こえてくる。
あかりと加奈が、「威風堂々」を吹いている。
「…最後の演奏会の、やりなおしじゃあ」
と窓を開けてそれを見た鉄平。
「二人とも、ええ顔しとるわ」と欽也。
「中学からずっと一緒に吹いとったけえ」と久太。
「乾杯じゃ、あかりと加奈と、鉄平の旅立ちに!」と隆円。
グラスに酒(?)を注いで乾杯する一同。錠は黙って座ったままだが、その手に持ったグラスにそっと自分のグラスをあてる鉄平。ちらっと鉄平を見やって、酒を飲む錠。

あかりと真知子は2人だけでお好み焼きを焼いている。
「さあ、食べんさい、これよりおいしいお好み焼きなんて、どこにもないはずよ」
「…お母ちゃんの味じゃ。…お母ちゃんの、匂いじゃ!」
ほおばりながら、目に涙をためるあかり。鼻をすすり
「…美味しい…」
「忘れななさんなよ!」
そういう真知子も涙声だ。

翌日。進水式。大勢の子供たちが投げ餅に参加している。

フェリー乗り場まであかりを送ってきた真知子と鉄平。そこで真知子は、これ父ちゃんから卒業祝いだ、と、リボンのついた携帯電話を渡す。
「社会人になったらいう約束じゃったろ?」
「…お世話になりました、ぐらい言うべきじゃった…」
「嫁入りかい」
突っ込む鉄平。

進水式で、あいさつに立つ錠。自分の名前をのべ、
「金偏に、定めると書いて錠でございます!長男が、金欠也と書いて欽也。こともあろうに、信用金庫勤めでございます!」
「きみの、お父さん?」
欽也のとなりにいた信用金庫の部長。苦笑する欽也。
「次男が、金を失う、と書いて鉄平。名前をつけてしまってから気づいた次第であります! そして! 末娘の…末娘の名前は!」
わめくようでありながら涙声になっている。
とっさに携帯電話を取り出す欽也。

フェリー乗り場に向かって歩くあかりの携帯が鳴る。
「?」
あかりが出ると、錠の声が聞こえてくる。

「あかり、希望のあかりでございます!ずっど…ぞばにおいておきたいのが、本音でございばず…。この大海原で…荒波に飲まれんか、座礁したりせんか、心配で、心配で…」

「安全性は完璧でございます、安全性は完璧でございます」
慌てて客たちにフォローして回る久太。

携帯を、鉄也も真知子も耳を寄せて聞いている。
「18年間、大事に、大事に、育ててきた…愛娘の旅立ちでございます」
「お父ちゃん…」
涙ぐむあかり。

フェリーがもう出る、と係員がせかす。

「どうが…無事で…どうが…無事で……」
もうええ、と制止する久太。

携帯を耳に当てたままフェリーに走りながらも、嗚咽するあかり。

鐘が鳴り、ワイヤが切られ、くす玉が割れた。ファンファーレが鳴る。いよいよ進水だ。
なんと錠はマイクに向かって「瀬戸の花嫁」を歌い出してしまった。

「瀬戸は…ひぐれて…夕波、小波…あなたの島へ…嫁いでゆくの…」
ファンファーレを奏したブラス隊は顔を見合わせるが、歌にあわせて伴奏を始める。音を拾おうと携帯を高く掲げる欽也。

「若いと、だれもが、しんぱーいするけれど…愛があるなら、大丈夫なの…♪」

(こうしてあかりは、尾道から大阪へ、嫁いでいきました…。いや、違う。違います! 旅だっていったんですわ…)とナレ。

「行ってくるけんね!行ってくるけんね!」
携帯越しの錠の歌を聴きながら、真知子と鉄平に力の限り手を振り続けるあかり。

大阪では、初音が「空き部屋あります」という張り紙を書いていた>

いやああ。きょうは朝から忙しかったから普段はあらすじも私評もサボリがちなのに、ついつい、あらすじを。しかもどこも端折れない、困ったことに。

まあ今日は、なにもクダクダ言う気にはならないね。細かいツッコミどころはあるとしても、どうでもいいやんそんなの。これはファンタジーだから。
私の得意なご教訓的なことも今回は黙ってよう。きょうはただ味わうのみ。

それにしても欽兄が素敵すぎる。正直言って、登場人物紹介を最初に見たとき、まったく期待してなかった。こう言うたらものすご申し訳ないけど、容姿的にも、立場的にも、さして面白くないと思ってた。まこれも言うたら申し訳ないけど、ゲゲゲでも布美枝の長兄はあまり物語に絡んでこなかったよね。それと同じぐらいの感じかと思ってた。スマンカッタ、欽兄。
とっさに携帯で「中継」することを思いつく瞬間が、も〜萌えまくり。

ツイッターでもしきりに言われているのが、「ちりとて」との類似。そうだよね、これはたしかにちりとてを彷彿とさせる。小次郎おじちゃんと弟正平との大漁旗振り、そしてお母ちゃんの「ふるさと」熱唱のあの場面。
あれも2週目の土曜日だった。そこまでがあまりに良すぎて、みな、大阪に行ったらどうなるんだろう、とちょっと警戒していたけど、そこからまたすんばらしかったわけで。
このドラマもそうだといいな。尾道の人たちもこれからもたくさん出てきてほしいし、大阪のおもろい愛すべきキャラにも期待する。
ともかくここまでは期待以上だった。愛してしまった。だれもかれも。やっぱりこれが、私にとっては多少余裕のある秋冬期で良かったな。
posted by おーゆみこ at 00:00| Comment(6) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月08日

第11話 愛しいアホたち #nhk #drama #teppan

愛しくて切なくて。

<真知子がいなくなった、と慌てた錠、鉄平、あかりは心当たりを探し回るが見つからない。

そのころ真知子は初音に、あかりに何か言ったかと尋ねていた。初音は「あかりがなにか引っかかっている」ということにピンとこない様子だが、はっきり言ったことは、あんたとは二度と会わない、ということだ、と答える。そして、突然座布団から降りて、事情も知らずに乗り込んで行ってややこしい思いをさせてしまった、お詫び申し上げます、と畳に頭をこすりつける。

手土産のケーキ2切れを差し出す真知子。

「きょうは、あかりの18歳の誕生日です…。千春さんが、母親になった日です」
「……」

そのとき電話が鳴る。あかりが、真知子が前の日に大阪のことを口にしたのを思い出し、そちらに来ていないか、と電話をかけてきたのだ。だが真知子が首を横に振るのを見て初音は真知子が来ていることは隠す。そして
「これが最後やし、ついでにきっちり言うときまひょ。あんたは生まれた尾道から一歩も出んと暮らしていくのが一番や。そやからな、これからは、育ててくれたお父さんお母さんに、精一杯、恩返しせな、あきまへんで。ほな、あとは達者でな」

真知子は玄関口で、見送る初音を振り返り
「恩返し、ですか…? あかりが、どこの誰に、恩返しせんといけんのですか」
「育てられたもんが、育てたもんに恩返しするんは、人として当然のことと違いますか」
「そうです。普通は、そうです。でも…私とあかりは親子ですから」
それだけ言うと、頭を下げて出て行く真知子。
真知子の出て行ったあと、最敬礼のように腰を折って深々と頭を下げている初音。

恩返しせなあきまへんで、と言われた言葉が頭を離れないあかり。

一方、初音にも、きょうはあかりの誕生日で千春が母親になった日だという真知子の言葉が脳裏に響く。

真知子はあかりの名の入った誕生日ケーキを持って帰り、これのために出かけていたと装ったようである。
なんだ、とほっとしている一同。大阪のベッチャーのところに行ったんじゃとあかりが言い出したから、と鉄平が言うと、あらあら、そんなとこ行くわけないじゃん、と真知子。あかりは思い込み激しいとこあるからな、と錠。演奏会ドタキャンしてまで尾道で就職することにこだわるなんてのも
「呆れる前に、笑えるわ」
と欽也。だがあかりは憮然として
「笑いたかったら笑えばええじゃろ!うちだって…うちだって自分のやってることあほらしい。ばかげとるぐらいわかっとる!けど尾道で就職するためには、なりふりかまっとられんのよ!」
「尾道じゃなきゃいけんの?」
と真知子。
「だって…。だってうちはほんとは……。この尾道とも…この家族とも……縁もゆかりもない子じゃけん!……たまたま、ここで生まれただけじゃ…」
泣き声になるあかり。
「けどうちは、うちはずっと、尾道の子でいたいんよ!…村上あかりでいたいんよ…!…」
泣きながら縁側に行って座るあかり。

欽也が声をかける。
「なああかり。大阪には就職があるんじゃろ?」
「大阪なんかいかん!」
「なんで?大阪行くと、なんかまずいんか?…おまえが大阪に行くと、わしらが悲しむとでも思うとるんか? おまえにとって、この家族は、そんなもんなんか?!」
怒声のようになる欽也。
「必死で…必死でしがみついとらんといけんくらい、そんな危ういもんなんか…?なあ、あかり…」
そこへとりなすように鉄平が割って入り、就職がだめになったら家にいて「家事手伝い」すればいいじゃないかと言う。
「そんなふうに家族にだけは甘えとうないんよ!」
とあかり。
「……まさか…恩返しのつもりね?」
真知子が言い出す。
「…他の親はしらん。けどうちは、あんたに返してもらわにゃいけんような恩、これっぽっちも売った覚えないけえね!ええ?二度と恩返しなんて言葉、口にしなさんな!次恩返しなんて言ったら、ほんとに、叩くけんね!」
珍しい剣幕でいいながら立ち上がる真知子。
「………?…」
じっと真知子を見るあかり。
「お母ちゃん…。次言うたらもなにも、あかり、恩返しなんて言葉、一言も口にしとらんよ?」
と鉄平。
「…え…?」
はっとして座り込む真知子。
「お母ちゃん…やっぱり今日、大阪に…」
とあかり。

誕生日ケーキのろうそくに火を付ける鉄平と欽也。

「ひとつだけ教えて…。お母ちゃんとお父ちゃん、なんでうちをここんちの子にしようて決めてくれたの?…それってなんか大変なことじゃない? 簡単なことじゃないじゃろ?」
「……それは、おまえ…。あの…千春ちゃんがうちにきて、半年近く一緒に暮らして…天涯孤独じゃ言うたけえ…そしたら…」
言葉に詰まる錠。真知子が割り込む。
「おとうちゃんはそう、大事なことを…話しの運びがへたくそなん…。うちは、あんたのひとことで、決心がついたんよ?」
「…え?」

だが錠はそれがなにかよく分からない様子。
「忘れたんね? あんたが初めて、赤ん坊のあかりを抱いたときよ…」
「え…なんじゃろ…」
「『かわいいのう』…言うたんよ。…そりゃ、優しい顔して、言うたんよ」
「……そりゃ、おまえ…」
「それだけで、十分じゃろ、この子をうちの子にしたい思うのに、他にどんなへりくつがいるんよ」
涙があかりの目からぽろぽろこぼれ落ちる。
「恩返しあてにして、子供を育てる親がどこにおるんよ!」
立ち上がって電気を消す真知子もほおに涙。
鉄平と欽也がハッピーバースデーを歌い出す。涙でくしゃくしゃになりながらもほほえんでろうそくを吹き消すあかり。

大阪では初音が、真知子の持ってきたケーキの一切れを千春の写真の前に供え、自分ももう一切れを食べている。

「うち…決めた。うち、大阪行く…、うち、悔しいんよ。あのベッチャーに、うちは尾道でしか生きていけん子じゃとか言われて…思い出すたび、悔しい…。そんなら逆に、こっちから大阪に乗り込んでやる!大阪で立派にやれるいうこと、見せつけてやろうじゃん!」
元気のよみがえったあかり、仲の良い家族の風景の間に、暗い大阪の部屋でひとり、千春の仏壇にたてたろうそくに目をやる初音の姿のシーンがかぶる。

そのうち初音は千春に供えたケーキも食べ始める。

(大阪の、大阪人は、…ひとすじなわでは、いかへんでぇ…)とナレ>

きょうは泣けたという声が多いようで、そりゃ私も泣いた。
けど私の泣いたのは、あかりと真知子よりもむしろ、初音のことを思ってなのかもしれない。

表面的に受け取れば、初音はあかりや真知子の気持ちも分からずに勝手なことを言うし、そもそも自分は恩返ししてもらおうと考えて娘を育てていたのか、そんなのは間違っている、と思えるかもしれない。
だが私はそうではないと思う。

きのうの放送で、あかりが「みんなベッチャーのせいじゃ!」とベッドに大の字になってわめいていた。そうだよな、と思う。ベッチャーがあのとき、勝手に取り乱して村上家にあがりこんで千春千春と探し回り始めたのが「元凶」である。あそこでもっと落ち着いて真知子に話を聞くとか「大人」な対応をしていれば、あかりたちまで巻き込んでの大騒ぎをして、あかりの出生の秘密を明るみに出してしまうことはしなくて済んだはずなのだ。
だが、あのとき、普段いけずで、平然とした表情を崩さない、ある意味では「かっこつけの」初音さんがあそこまで取り乱して大騒ぎをした、その心情を思うと、私はそれが泣けてくる。
18年前に出て行ったきり、そのまま連絡がなかったのだ。いつかなにか言ってくるだろう、いつかきっと顔を見せてくれるだろう、そう毎日思いながら、ずっとずっと待っていたはずだ。今日連絡があるか、今帰ってくるか、と。
そしてついに、なにかのきっかけでたまらなくなり…あるいはなにかの事情で写真やトランペットがそのとき手元にやってきたのかもしれないが…写真を頼りに尾道までやってきた。やっとやっと探し当てた場所で、「千春さん」を知っている人がいた!! 18年間ずっと待って待って待って待っていたのだ。そりゃ取り乱しもしよう。

と思い、私はきのうの放送でも、多くの人が泣けると言った演奏会を外で聞くシーンも、そんなには(自分が吹奏楽部であったからあかりの気持ちは分かる気もするが)揺さぶられず、むしろ勝手に上のようなことを想像して涙目になっていたのである。

だから今日の冒頭から、真知子さんが、あかりの誕生日だ、千春さんが母親になった日だ、と初音さんに言うのを聞いたとき、涙腺が…。
そして、村上家では一種の「大団円」的になっていて、それはそれとして感動しながらも(いやあ欽兄グッジョブ)、そこにはさみこまれる暗い大阪の部屋で独りの初音の姿に、より激しく揺さぶられていたのだ。

私は自分が子供を持っていないだけに、母親の側からの親子の情というものは「想像」するしかない。
だが初音さんの気持ちは、親子云々を飛ばしても切なく迫る。上に書いたように(あくまで想像ではあるが)愛しい人が、今帰るか、今なにか言ってくるか、と待っている切なさが分かるのだ。

初音さんだって恩返し云々と思って千春を育てたはずはない。だが、あえて言う、「こんな仕打ち」をされるいわれだってないはずである。こんな思いをさせられるすじあいはないはずである。そりゃ、なにか「いけず」でかたくなであって、千春さんにとって不都合なことがあったから彼女は家出したのだろうが、それこそ逆に言えば、血が繋がっている家族であればこその遠慮のないぶつかりあいであったのだろう。なんのかんのといっても、血が繋がっているのだから、いつか戻ってくる。そう無意識で信じていても不思議はない。それが手ひどく「裏切られた」。そう思えば「恩返し」という言葉だって出てきてしまう。怒っても怒っても、もう千春は答えてくれない。恩返しもしないで、と悪態をついても聞いてくれない…。
(また勝手に想像して泣いてしまう私…)。

もちろん恩返し云々というのは、初音から見れば、血の繋がらない子をわざわざ育ててくれたのだから、それはまさに「恩」であって、実の親子ではないと思うからこそ言うのである。それは結果的にあかりを悩ませることになるのだが、初音が人でなしなわけでは全くない。

だが初音はアホである。格好付けすぎなんだよ。素直じゃないんだね。不器用なんだね。歳を重ねたからといって人間が勝手に上手い具合に成長したり賢人になったりはしない。自業自得の部分があるとはいえ、苦しい思いを抱えたままそれが溶けてしまうことなく、むしろ大きく固く重くなっていってしまう。
50歳を過ぎてもまだ、あたかも思春期のガキでもあるかのように思い迷う私には、あかりもさることながら、初音の心情が響いて仕方がない。

ゲゲゲが好きすぎて新しいドラマになじめなかった人はちょっとお気の毒とか思ってしまう。でもまあ「あわない」人もいるだろうけどね。
ツイッター上では、「人間関係がドロドロ」とか書いている人もいたが、こういうのをドロドロとか言わないよ。こんなに愛しい人々ばかりなのに。そりゃみんな、ある意味「理不尽」だったり衝動的だったりしてる。ゲゲゲの登場人物はみんなかなり大人だったかもなあ。それに比べたら、一番人間ができているように見えた真知子さんだって、やっぱアホだったわ(「次言ったらもなにも、そんなの一言も言ってないよ…?」にはワロタ)。でも愛しいアホたち。いろいろトンチンカンでも愛ゆえの行動で、みんながそれを分かっているから赦しあう。自分も含めて赦す。こういうのがいいなあ。みんな間違う。でも間違うから愛しい。アホだから愛しい。


posted by おーゆみこ at 12:09| Comment(11) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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