2011年04月03日

【てっぱん】最終話 縁と絆と希望と灯りの物語 #nhk #teppan #drama

ああ、終わっちゃった。

<「ベッチャー祭り」にやってきた村上家一同と初音。久太が皆に、ベッチャーを叩くための棒を渡すが、「これは神事じゃ」と隆円には渡さない。拗ねる隆円。

赤ん坊を抱いたのぞみと欽也も来ていた。駆け寄る一同。赤ん坊を見て満面の笑みの初音とあかり。

「あかりも鉄平も田中さんに叩かれて強うなったんじゃね〜」
と真知子。それを聞いたのぞみは
「私も!」
「それ、どういう意味ですねん!」
と初音、一同爆笑。

鉄平が初音を群衆の中にひっぱって連れて行く。楽しそうに鬼を棒で叩いたりつついたりしている人々に混じって初音もあかりたちも笑顔である。

港で、海を見ながら座っている初音。そばにあかり。
「あ〜お腹空いた〜!…おばあちゃんの言うたこと、当たっとったね」
「なにが?」
「音楽なんかじゃ、腹はふくれん」
「腹はふくれんけど…心はふくれた。…あんたのラッパ…千春にも響いたやろな」
あかりはちょっと唇を噛み、立ち上がって初音の横に行くと、ちょっとふくれたような、拗ねたような、照れたような顔になって
「おばあちゃんにも…響いたん?」
初音に身体をちょっとぶつけるようにして言う。
「…腹に響いたわ…」
「…お腹減っとるだけじゃろ」

村上家の鉄板でお好み焼きをほおばる一同。
ふと、まだのぞみの赤ん坊の名前を聞いていないことに気がつくあかり。
「なんやまだ聞いてなかったんかいな」
「大事なことじゃけえ顔見て伝えたい言うて…」
のぞみと欽也は互いに照れながら、譲り合っていたが、結局のぞみが
「じゃ…村上…、円(まどか)」
「まどか?」
「マルは、円でしょ?だからまどか」
まん丸のお好み焼きみたいじゃ、とあかり。
「おれとのぞみさんを繋いでくれたのは、あかりのお好み焼きじゃけえの」
と欽也。

「村上円、0歳か…。おばあちゃんとは、70歳違いじゃの!」
とあかりが言うと、初音は
「せやな。…人生、…これからや!」
すると真知子が
「そうですよ。人生の仕舞い支度するんは、まだ早いんじゃないでしょうか?」
「あと何十年も生きるんじゃから」
と鉄平。
「ほうよ、わしらが追いつくのが楽しみなばあちゃんでおってください」
と隆円。
いたずらっぽい笑顔になる初音。
(あかり)「ここまで言われたら、引退できんね、おばあちゃん!」
(初音)「なんや、ばあちゃんばあちゃんばあちゃんて!おばあちゃんは、真知子さんじゃあ!」
一同爆笑。

街を見渡す岩山の上でトランペットを吹くあかり。「ひまわり」である。
初音は
「あんたと勝負がつくまで、あの家処分するのは、おあずけや!」
「ほいじゃ!」
「田中初音、70!」
胸を張り、それをぽん!と叩いて言う初音。あかりも
「村上、あかり!はたち!」

トランペットを投げ捨てる真似をする初音、慌てて止めるあかり、笑い転げる2人。

あかりに言われてトランペットを試しに吹いてみる初音。

そして2011年春。あかりがのれんを掛けると、待ち構えていたように、中学の制服姿の民男が友達を連れて走ってやってきた。

田中莊の入り口。初音が出てきて、なにやらこちらものれんを掲げる。「お食事処 田中莊」とある。親子丼などがメニューにある。そちらにもすぐ客が入ってきた。そして栄治の姿、さらには、なにやら若い女性を連れた徹。
店と、田中莊の食堂を隔てていた壁がなくなっている。真ん中の厨房であかりと初音が背中合わせに立って注文をさばいている。
中岡さんも元気そうじゃね、とあかりが言うと、民男が
「料理と、婚活がんばってんねん!」
照れ笑いする徹。

浜野と岩崎、根本もやってきた。

栄治は、のぞみが送ってきた円の写真を皆に見せる。

尾道では円を囲んで、のぞみ、欽也、そして錠も真知子も鉄平も楽しそうだ。

「もうすぐ来る頃違うか」
とあかりに囁く初音。
「ほうじゃね…」
とあかり。

ん、誰が来るんや、と気にする一同。滝沢かと民男が言い出すが、今海外遠征だと根本。

伝が「ただいま〜」と言って出前から帰ってくる。
初音になにやらいろいろ叱られて苦い顔。
「伝さん、恋しとるね」
とあかりにこっそり言う加奈。加奈もどうやらレギュラーでバイトをしてくれているらしい。

ややあって、店の戸が開いた。入ってきたのは笹井である。驚き、目を輝かす民男。
「笹井のおっちゃん!」
笹井もまた民男に会えて目を細める。
「真っ黒に日焼けして、ごんぼみたいやな!」
と笑う初音。

「………」
笹井は店を見回す。何を言うか、一同が固唾をのむ。
「……てっぱん食堂ですね!」

笹井は外人の男を連れてきていて、友達だという。男は、あらゆるものにたいして
「What?」
を連発。かつをぶしを見てもwhat?と言うが一同困って、笹井が
「fish dance!」
するとあかりも
「Yes, フィッシュダンス!」
と手を上に挙げて踊ってみせる。一同大笑い。

「おのみっちゃん…なんでお好み焼き屋始めたんやっけ?」
と浜野。
「………。トランペット、拾うたけえ、じゃろうか」

伝は伝で、初音に
「なんで定食屋はじめたんや」
「…ラッパ、捨てたからやろか」

初音がトランペットを海に投げ捨て、あかりがいきなり海に飛び込んだ冒頭のシーンの回想。

(この子が、ま〜るいお好み焼きを焼けるようになるまでの、長い、長〜いお話しでした。てっぱん!)

出演者のエンドクレジット、キャストによるてっぱんダンス。錠と真知子、久太と隆円、岩崎と加奈、民男と徹と笹井、滝沢と根本、欽也と鉄平、小夜子と浜野、栄治とのぞみ、そして伝と初音…クレジットには厚子千代子、中松、そして円役の名前も出ている。

「おしまい」とマヨネーズで書かれたお好み焼き。

最後の最後に
「ありがと」
とあかりの声>

これこそ「大団円」、まさにまさに。

とりあえず今は時間がなくて、あらすじ(というかシーンの描写)を書いただけになってしまったが、近いうちにちゃんと総括的に書くつもりなのでしばしお待ち下さい。

でもなんかこれから寂しくなりそうだなあ。
次のドラマがいいか悪いかに関わらず、てっぱん恋しさはしばし続くかも。

キャストがそれぞれ踊るエンディング最高だった。そしてあらためて、誰も彼もが愛しいと思えて…。
’(ところで田中莊側にいてお好み焼き頼んでたのが中松さんだったのかな?厚子千代子もちゃんといたね。
あ、でも美咲ちゃんはいなかったなあ)

みんなが笑ってる。お日様も笑ってる…てこれじゃサザエさんやがな。
でもほんと、みんなが笑っててすごい。

あ〜でもとにかく今は時間ない、またあとで!とはいえ明日も明後日も朝から出かけてしまうのでなかなか書けないかも…。

コメント欄はもしよろしければお先にどうぞ!

**てことで加筆しました (以下、2011/4/4)
「縁」を紡ぐ物語、だった。

その縁は、いわゆる「家族」を超える。
いきなり、実の親子ではなかったことが分かってしまったあかりと村上家。
いきなり、実の娘が亡くなっていたことが分かってしまった初音。それに初音は夫もなくし、両親も早くに亡くしていることが後から語られた。

下宿人たちもそれぞれが孤独を抱えていた。浜勝の小夜子も浜野も栄治もだ。伝も。だれもかれもが、いわゆる「家族」を欠いていた。そしておそらくはそれを自分の欠陥だと考えて恥じ、その故に心も閉ざしがちになっていた。

彼らが徐々に、心を開き、縁を紡いでいった。
中盤以降に登場したのぞみは、ずっとその縁とか人と人との繋がりのことを完全に信じられずにいたけれど、最後の最後で受け入れる。そしてここにまた、あかりと同じ物語が始まったわけだがもう心配ない。
人は縁あって集い、助け合い、愛し合う。
戸籍とか血縁とかの必要はない。
むしろ戸籍や血縁の「しがらみ」が曇らせる縁もある。
しがらみがないのに、手をさしのべ合う。その原理は「愛」でしかない。

それが最終回のこの明るさ。
下宿人はそれぞれ「巣立って」行ったけれど、近くに暮らしこうやってまた集う。
近くにはいなくても、滝沢も、そして橘も、「縁」は切れていない。

とりわけ初音だ。
頑なに心を閉ざしていた初音。確かに、「事実」だけ見れば大変だ。18年前に出て行ってしまった娘、それが亡くなっていると分かった。悲しみに潰れないために心の鎧を厚く重くしなければならなかった。
そして終盤にも、歳若い人々のことを考え、その邪魔にならないようにと人生の幕引きを考えた。
それがどうだ、生き生きと若々しく、軽口も健在で、きびきび立ち働く姿の楽しそうなこと。

やはり真のヒロインは初音さんだったのだな。
初音さんのこの姿に、希望を見る。
いやもちろん、登場人物すべての姿に希望を見る。
あの荒れていた中松さんだって、すっきりした姿でお好み焼きを食べていた最終回。

絆の物語。
希望(のぞみ)の物語。
灯りの物語。
縁の物語。

ああ、そうか、縁は円だな。

おりしもこの「国難」の時期。
私自身の個人的にも、この放映中「人生最大の危機」を経ている。

けれどこの物語に出会えて良かった。
今辛い人も、希望の灯りを見失わず、家族に限らぬたくさんの人々から差しのべられた手を取り、また手をさしのべ、縁を結び、絆を紡ぎ、まあるい世界を作って生きていこう。








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2011年03月31日

【てっぱん】第149話 まあ正解でしょう #nhk #teppan #drama

まあそりゃそうやろとは思うものの、よく分からん。

<憤然とした様子で滝沢と共に部屋に行ったあかりは、そのままいきなり荷造りを始める。
なにしてるんやと滝沢。すると
「滝沢さんが言うたんよ、誕生日に迎えに来るって」
「それやったら先に返事聞かせてくれ」
「これが返事よ」
「………」

滝沢はしばし呆然とあかりを見ている。

民男がやってきて
「お姉ちゃんも引っ越しするん?」
「…おばあちゃんには、勝てんわ」

滝沢は黙って手伝い始める。

店では小夜子が浜野に
「追いかけんでええんですか?…社長、おのみっちゃんのこと好きなんでしょう?」
驚いた顔で浜野を見る加奈、ガタっと立ち上がる根本。
「…終わった話や」

驚いた根本は
「え!社長、滝沢の背中あんだけ押してたやないですか!」
岩崎がそれを制して
「それ以上は、酷です」
浜野は、あかりの気持ちは分かっているし、とっくにふられたようなもんだという。すると栄治が
「ふられるんやったら、きっちりふられな」
岩崎も
「音楽でなく、ちゃんと言葉で伝えて」
「……今更…」

民男が駆け込んできて
「お姉ちゃんが、荷造りしてる」
「…ほうか…」
と初音。

2階で荷造り中のあかり。
そこへ浜野がやってきた。
「社長さん…」
「ちょっと…ええかな」
「…どうぞ」
「おのみっちゃんに…伝えたかったことがあんねん。…ずっと…前から思ててんやけど…、誕生日、おめでとう。やっと…お酒飲めるな」
花束を差し出す浜野。

部屋から出てきた笹井がそれを見守っている。
民男、加奈、岩崎、栄治もまた物陰から見ていてため息をつく。
「あ〜あ、押しが弱すぎる…」
(栄治)「そこが社長のええとこやないか」

「寂しいな、ほんま福岡いってしまうんや」
「…すみません」
「……。なんで謝るん?…」
「………」

そのとき滝沢が、割れ物をくるむ布ないかと声をかける。すると浜野は
「おのみっちゃんの顔見て言いや!今どんな顔してるか、分かってるか?…滝沢君、約束守ってくれてへんやん!」
「約束…?」
とあかり。
大きい笑顔を咲かせてやってくれと言った浜野である。
「うち…笑うてないですか…?」
鼻をすすり始めるあかり。
「なんで…」
浜野を押しのけるように洗面所に行くあかり。
一部始終を見守っている笹井。

洗面所のあかりに、滝沢が
「…無理するからや」
「………」
「わかってたわ。…お前がこっから、離れられんことぐらい。…お好み焼きめ!しゃあないな、お好み焼きに負けるんやったら、あきらめもつくわ。お好み焼きやぞ?」
涙に濡れながらも、くすっと笑うあかり。うつむいたそのあごに滝沢はすっと手を当て
「ほら、上向いて!暗い顔しとったら、お前やなくなるで」

「大丈夫です!必ず、朝は来ます」
と笹井。
「せやな。…明日になったら、ちゃんと笑えよ」
笑顔になるあかり。泣きながらも笑い出す。
滝沢も、浜野も、笹井も笑顔になる。

店。
「…俺は社長の、何を見てたんや…」
なにか呆然としている根本。それが体育会系のええとこやと伝。

小夜子は、かつて背中を押してもらった自分がいうのもなんだが、
「年寄りがよかれと思って、おのみっちゃんを苦しめてんのと違いますか?」
「それは…どういう意味ですねん?」
「それは初音はんが一番分かってるやろ?」
と伝。

上にいた一同が戻ってきた。痛み分けで、二人ともふられた、と。
(初音)「ほな福岡へは…」
(加奈)「あかりは、おばあちゃんを選んだんよ」

尾道。隆円が、初音が千春の分骨をしに来月尾道に来ると連絡してきた、と村上家に報告している。

夜。皆が帰ってから
「滝沢さんのこと、聞かんの?」
「見たらわかるわ」
「うち、やっぱりここでお店続けたい」
「なんでこの店にこだわるんや?」
「まだおばあちゃんとの勝負ついとらんけんね!」
「うちはあんたに勝負挑んだつもりないわ!」
「勝手すぎるわ!うちを大阪に引っ張り出したんは、おばあちゃんなんよ!」
「うちを店に引っ張り出したんは、あんたや」
「ほじゃったら、これからもここで!」
「お休み!」
まともに応えず、立ち去る初音。

自分の誕生日ケーキをもくもくと食べるあかり。

下宿人たちが旅立つ日がやってきた。
荷物を車に積んでいる下宿人たち。するとまたあかりが初音にくってかかる大きな声。
あかりがまだいるのに、今夜からもう食事を作らないと初音が言い出したという。最後だと分かっていればおかわりしたのに!とあかり。下宿人たちも、このままでは心残りだ、もう一度作ってくれ、と懇願し始める。根負けする初音。

そして作り始めたのは、かつてあかりに最初に食べさせた玉子丼だった>

あの震災がなければ、アサイチメンバーもいろいろコメントしていてそれを楽しみにできたのにな、と思うとしみじみ寂しい。

先週のてっぱんの視聴率が24%ぐらいで1位になっていて、「好調の朝ドラてっぱんが従来の最高値を大幅に超えて」云々と書かれていたが、そりゃあなた、みんなニュースを見ているだけでしょうが。視聴率がいかにあてにならないかよく分かる。コメントを書く記者はそんなことは重々分かっていながら、とりあえず出てきた数値だけで何か書かなきゃいけないってことになってるのかな。

やっぱり恋愛がらみの展開にはいまひとつ入り込めないのが正直なところ(オバサン化しとるのかのう、寂しいのう。いや私だってこれから恋愛する気まんまんなんだけど!)。
まあでもこれで福岡に行くとなったらますます納得できないから、まずは現時点では「痛み分け、二人とも振られる」でよかったなと思う。錠ちゃんと真知子ちゃんがそのくらいの歳だったとはいえ、二十歳そこそこで、しかもさしてつきあってもいないのにそんな重大な決断できないよね。まあ同じ屋根の下に長く住んでいたからつきあっているより濃いのかもしれないけど。
あ、欽也さんとのぞみさんは今までつきあってなくてもOK。言ってみりゃ見合い結婚みたいなもんで。これからしみじみ互いを見ていけば。

ともあれ、福岡に連れて行くのは無理でしょう、滝沢君。あかりには福岡での人生設計の見通しがなにもない。大阪に出てきたときもそうだったけれど、話が違う。とりあえず今、お好み焼きで人々を笑顔にするという人生の目標があるわけで。福岡では、「滝沢を笑顔にする」プロジェクトに取り組むってことかしら。でもそれはとりあえず現時点ではどうかな。「そこまでの盛り上がりに欠ける」とか言ったらミモフタもないけど、まあそういうことでしょう。その点では社長の方がよっぽど分がいい。お好み焼き屋も続けられ、音楽も共に出来て、「みんなを笑顔に」できるよ。
まあ恋愛の力はそういう「条件」を飛び越えてあまりあるものがある、ことがあるとは思うけど(私なんざそのタイプ、恋愛のためなら自分の人生行路も曲げてしまうほう)、滝沢君とあかりの恋がそういう状態にある感じがしないもんね。

この点については、まだこれから、ってことでいいんじゃないのかしらね。

初音さんはご飯作らん、って自分の食べる分はどうすんのさ。それに伝さんとホームに入るって話は?

笹井さんの「大丈夫、必ず朝は来ます」
てのもいまいちピンとこなかったなこのシチュエーション。

根本さんの呆然ぶりがちと可愛かったけど。

小夜子さん、「年寄りが…」ってミモフタもない…。

となんか脊髄反射するばかりでありました。最近集中していないからかな…。

ま、あと2日分。現時点ではなんとなく納得しきれない感じのままだけど、明日明後日を楽しみに待っていよう。

(あいかわらず落ち着かず、結局更新も飛び飛びですみません)
posted by おーゆみこ at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

【てっぱん】第146話 ショック療法? #nhk #teppan #drama

出産がらみの話になると毎回若干気持ちが複雑になるワタクシではある。

<産気づいたのぞみは、一旦落ち着くと、なんと、大阪に戻ると言い張る。
「これ以上迷惑をかけるわけにはいきませんから…」
欽也には
「結婚のことは、生んでからゆっくり考えさせて欲しいの」

皆は止めようとするが
「大丈夫、この子は私に似て我慢強いはずですから」
それを聞いた錠は血相を変え
「ちょ、ちょっと待て!何言うとるんじゃ、あんた!あんたがどれだけ無理しようがわしはしらん、じゃがの、赤ん坊に無理させてどうするんじゃ!」
のぞみはそれでもまだ大阪に帰らせてくれと言い張るが、一同ほぼ無理矢理にのぞみを産院に連れて行った。

初音はあかりから電話を受け、店のことは心配せずつきそってやれと言う。そばにいた徹が
「尾道の子になるんですね」
「うちの孫と一緒や」
ほほえむ初音。

徹は初音に頼みがあるという。料理を教えてくれということらしい。
徹が初音に教わっているところに民男と笹井がやってくる。のぞみのことが気になって寝られないという。
そして料理を習う徹を見て
「お父ちゃんも弟子入りか?」
民男も初音に味噌汁を習ったと笹井から聞いて微笑む徹。
だが、あかりが一番弟子だ、という話から
「お姉ちゃんが下宿も継ぐんやろな?」
と民男が言うと
「うちは、跡継ぎは取らん主義や」
とちょっと厳しい顔で言う。

いよいよ陣痛が激しくなってきたのぞみ。真知子に言われて欽也もそばに付き添おうとしたが
「出てって…こんなとこ見られたくないし!」
「あ……すまん…」
ためらいつつも部屋から出て行き、ガラス戸越しに心配そうに見つめる欽也。

神田と錠、鉄平は事務所にいる。久太と隆円がやってくる。
「結婚よりお産の方が先になるといろいろ面倒なことになるで」
と隆円。母親の籍に入った子を改めて養子縁組しなければならなくなると言う。千春の時に隆円は調べていたのだ。
「お腹の子には何が一番か考えてやらんとの」

欽也は工場のほうでひとり座り込んでいる。

いよいよのぞみが産院に行くことになり、あかりが欽也に声をかけるが、欽也は家で待っているという。だが真知子が
「あんた、今更逃げるんね? 丸ごと引き受ける覚悟じゃないん?」
すると錠も
「欽也、お母ちゃんの言う通りじゃ。お前がついてやらんでどうするんな?」
あかりも再び促し、欽也は決意した。あかりとともにのぞみを支える。

天神様にお参りしている初音。伝が通りかかり
「呪いでもかけとんのかいな」
「あほか、安産祈願や」
初音は、のぞみが尾道でまもなく産むのだと話す。あかりもつきそっている、と。
「あの子、自分が生まれた日に、立ち会うとるつもりや」

産院。のぞみははげしく苦しんでいる。必死で手を握る欽也。そして励まし続けるあかりと真知子。
そしてついに赤ん坊が生まれた。

産院の廊下で膝をつく神田。じっと立ち尽くす錠。

手を握り続ける欽也、そして愛しそうにのぞみの額を撫でてやる。

助産師が赤子をのぞみに抱かせると、のぞみは声を上げて泣き出す。

少し落ち着き、錠たちも部屋に入ってきた。のぞみはあかりに
「だっこしてみる?」
「うん!」
あかりは赤ん坊を抱き、顔を見つめながら
「まるちゃん…会えたね!…お誕生日、おめでとう!」
と泣きながら声をかける。

明るい光の中、みんな微笑んで赤ん坊を見つめる。
「ありがとう!…まるちゃん」
とあかり。
「…うん…ありがとう!」
のぞみは赤ん坊とあかりを一緒に包み込むように抱きつく。

(小さな…小さな命の、大きな誕生です)>

あたりまえだけれど、出産すること子供を持つことが感動的に描かれる。いや、私も見ていて感動はするけれども、ひるがえって、あ〜、やっぱ(自分が産まなかったのは)「しまった」かのう、と落ち着かない気分になってしまうのだ。でもまあ、それは個人的な述懐。

ツイッター上では(とはいえ実は最近は#teppanタグを追っていないのだが)、欽也という「他人」が分娩室に入って立ち会ったことに抵抗を感じるという意見もある。

考えてみたら、出産もミモフタもなく言えば「排泄」みたいなもんで、むやみに立ち会われるのは、たとえそれが夫であっても、いわばトイレを覗かれるような落ち着かなさがあるのかもしれない。私は経験していないだけに、それこそ男性目線になってしまって、夫婦なら立ち会って経験を共有したほうがいい、私ならそう思う、と思ったが、自分が当事者なら案外違う感覚を持つのかも。

だがこのドラマでは、むしろ、あえてその「抵抗感」を逆手に取ったのかもとも思えてきた。のぞみは全く持って「立ち会われるなんて絶対いや」なタイプだろう。赤ん坊の本当の父親や、正式に結婚した夫であっても嫌なはず。ましてやまだ心を許していない、信頼も仕切れていない「他人」の欽也である。現に、その前の場面で「出てって」と言っている。この場面にも意味を持たせているとしたら、欽也がそれでも立ち会う流れになったのは脚本上の無神経ではなく、むしろ計算だと思う。
つまり、普通以上に頑なにカッコ悪いところをみせたくない、人の助けを借りたくない、というのぞみを、打ち砕くための「ショック療法」である。もういまさらカッコつけようもない。ここまでしなければ、この期に及んでも大阪に帰ると言い張るのぞみを変えることはできなかっただろう。

のぞみに共感する、つまり「人の助けをむやみに借りたくない」タイプの人は、これを見ても自分が変わったりはしないだろうな、とは思うけれど。嫌だ、こんなのとんでもない、お節介すぎる、勘弁して、と思うのではないか。

けれどこれまでも何度も書いてきているように、ときに人の助けを借りる経験をすることで、その人は次には誰かを同じように助けたいと自然に思うだろう。逆に、人の助けはいらない、迷惑をかけたくない、と頑なに思う人は、言葉を返せば「自分は人を助けたくない」「迷惑かけられたくない」、と感じてしまい、だからこそ人がそうすることが信じられない、ということだとも言えてしまう。

さらに言えば、人は、他の人(ないし存在)を助けているときにこそ一番大きな喜びを感じるように出来ているのだ。もちろん、自分が生き延びなければならないような切羽詰まった状況では必ずしも人を優先はせず、自分をまず真っ先に考えるのは当然だと思うが、そこには本当の「喜び」はない。
とすれば、「助けられる」立場の人は、人に喜びを与えている、とさえ言えるのだ。

むやみやたらなお節介をしないで、人の気持ちを尊重する、のはたしかに素晴らしいことだと思う。自己満足のお節介というのも確かに存在するからね。助けてやったつもりになられても、本当は相手を傷つけているということはあると思うから、簡単ではないだろう。けれど、相手の表面的な言葉だけを受け取って言われた通りに引っ込んでいればいい、とも言えない。

とりあえず誰ものぞみに、「説教」などはしてこなかった(きょうの錠ちゃんを除いて)。あんたそんな頑なでどうするの、とか言う人はいなかった。それでも静かに寄り添っていてくれた人々のことを感じてのぞみも少しずつ柔らかくなってきたのだが、それでも根本はなかなか変わらない。
今はみんな、のぞみ自身よりも、のぞみの生き方がこれから投影されてしまうであろう子供のことを心配しているとも言える。
やっぱり頑ななのぞみの殻を、多少乱暴でも打ち砕いてやる必要があったのだと思う。


しかもこのことが「迷惑」として語られるようであってはならない、そうするとあかり自身が、自分の存在が「迷惑だった」と思うことになってしまうから。







posted by おーゆみこ at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする