2011年02月16日

【てっぱん】第118話 愛は循環する #nhk #teppan #drama

ほら。「修羅場」にはならないでしょう、ヤマ場ではあっても。

<橘と対面する村上夫婦と隆円。錠は背中を向けたままである。
真知子が名乗ると、橘は、こちらからお伺いすべき所を申し訳ありません、と深々と頭を下げる。隆円が進み出て
「わしらが知りたいんは、一点です」
「はい」
「そちらさんが今後…あかりとどう関わっていくつもりなのか、それをお聞かせ願いたい」
「………」
「赤ん坊の時から、村上の家では、あかりを自分らの長女として育ててきました。めいっぱいの愛情を注いで…」
隆円は自分も涙声のようになっている。
「この19年、あかりの幸せだけを願ってきたんですわ」
「………」
黙ったままの橘。背中を向けたままの錠。隆円は続ける。
「あかりの父親は村上錠。あかりの母親は村上真知子。だれがなんと言おうと、それは変わりません」
「…はい…。今更、父親だと名乗るつもりはありません。その資格もありません」
「…ほうですか…」

一方、あかりは興奮したまま、店に直接戻ってくる。
「遅い!もうなにやってんのよ、駆け落ちでもしたかと思った」
「駆け落ち?」
「橘先生と!」
「なに言うとるんですかぁ!」
「ほら、仕込み急がないと、間に合わなくなるよ!」
「はい!」
あかりは鼻歌交じりである。

「…もう二度と…あかりさんの前に姿を見せることはありません。お約束します」
橘は隆円のことを父親だと思っていたのかもしれない。隆円をまっすぐ見て言う。
初音が双方を見比べるように見、
「あの…。こちらが、村上さん」
と、背中を向けたままの錠を指し示す。橘は改めて身体の向きを錠の方に変えるが、隆円は
「いやいや、それを聞いたら、こちらとしても安心じゃ、の。文句はないの?」
「……ああ」
背中を向けたままで短く答える錠。
「すみません、口べたな奴でして」

だが真知子が
「ええんじゃろうか…」
と口を挟む。
「あかりに…ほんまのこと伝えんで、ええんでしょうか?」
「真知子…なに言うとんじゃ」
と錠。だがその声も自信なげだ。
「ほんでも!」
「あの…村上さん」
橘がたまりかねて声をかける。
錠はそれで初めて向きを変え、橘に相対する。頭を下げ
「申し遅れました。私あの…金偏に定めると書いて錠と言います」
「錠ちゃん…」
隆円がたしなめるように声をかけるが錠は続ける。
「長男が、金欠也と書いて欽也、次男が金を失うと書いて鉄平、名前付けた後で気づいた次第で」
落ち着かない、緊張して荒い呼吸をしながら話し続ける錠。それを見守る真知子、そして初音、隆円。
「で長女のあかりは…。わしらの!希望のあかりです!」
実家にいた頃のあかりの姿を思い出す錠。
「わし、音楽のことはよう分かりません。あかりがトランペット吹いても、喜んでやることしかできません。ほいでも!わしより喜ぶ男は他にいません!…じゃけえ、これからも、あかりのトランペット聞いて、誰よりも、喜んでやろうと思います。…わしら、…それしかできませんけん」
鼻をすする錠。真知子が言う。
「……ほうよ…お父ちゃんの言うとおりよ! ほいで、うちらが一番見たいんは、…あかりの、喜ぶ顔じゃろ?…お父ちゃん…」
「なんじゃ」
「あかりが大阪来たんは、自分の生まれてきた意味を知りたかったからじゃろ?」
そして真知子は橘に向かい
「橘さん…。あかりに、もう一度会って頂けませんか?今度は、父親として…」
「………」
黙ってじっと真知子の顔を見る橘。そして錠も、真知子の言い出したことに対して何も言わず、じっとうつむいている。

店。浜野が客としてきている。鼻歌をずっと歌い続けて上機嫌なあかり。呆れた顔ののぞみ。浜野は、どんな橘は教え方だったんだと尋ねる。
「なんか、どんどん自分の音が良うなっていくのがわかるんです!」
「さすが、バンドやってただけのことはあるな」
「え?バンド?橘さんが?」
「うん、レディバード言うたかな」
「レディバード?」
のぞみが口を挟む。
「てんとうむしのことよ」
「てんとうむし?」
「あなたのトランペットについてるでしょ」
そういえばそうだ、橘先生と気が合うじゃないかと浜野。だがあかりは何かを感じたらしく、その軽口にも応じず、上の空になってしまう。

橘は、一晩考えさせてくれと言って去ったらしい。
「19年待ったんじゃ。もう一晩、待ってみようで」
と隆円。

てんとうむしのことが気にかかって心ここにあらずのあかり。民男がやってきて
「大家さんとこ、誰か来てるん?なんか部屋から声がしてたで」

ちょうど村上夫婦と隆円はこっそり立ち去ろうとしていた。だが玄関を出ようとしたその瞬間、あかりがやってきて初音に声をかけた。慌ててしゃがんで身を隠そうとする一同。初音はなんとかごまかそうとするが、そのとき丁度滝沢が玄関を開け、
「うおっ?!」
「しーーっ!」
と隆円が口に指を当てるも、時既に遅く、なに?とあかりは阻もうとする初音を押しのけるように玄関を見に来て、一同を見つけてしまう。
「お父ちゃん…?……お母ちゃん…隆円さん…?」

滝沢は店にいるのぞみに
「大家さんすぐ行くから待っててくれって」
と伝える。
「ああ。で、あの子は?」
「………」
滝沢は無言で母屋の方を見やる。
そのとき店の戸が開き、なんと欽也が入ってきた。
「なんかあったんですか、村上家総出で」
と滝沢。それを聞き
「…やっぱりの…」

あかりと村上夫妻、隆円を残して居間から立ち去る初音。
あかりは錠と真知子の前に座り
「こそこそ…うちに隠れんといけん用事って…なんなん?…何で黙っとるん?」
「………」

そこへ欽也がやってきた。
「欽也、なんでお前がここにおる?」
と錠。
「こっちが聞きたいわ。何がデートじゃ」
と欽也。
「何があったん」

「……。もしかして…橘さん?」
とあかり。
(欽也)「橘さんて、…誰ね?」
「東京の作曲家さん」
(欽也)「その人が原因、て、どういうことね?」
「昔…トランペットをやっとってね…。ほんで……。たぶん…。千春さんが、…好きじゃった人」
(欽也)「…千春さんが?」
「お父ちゃんたち、その話、しに来たんじゃろ?」
「……。…ああ…」
小さく頷く錠。
(もう…受け止めん訳には、いきませんなあ…)>

あさいち、いのっち口開けてみてた(^_^;)
「もうどこをとっても、じーんとしちゃって」
と言っているその下に「痔」が云々、というテロップが…(^_^;)
そしていきなり
「きょうのテーマは、痔、です」
とミモフタもない有働さん(^_^;)(^_^;)

まあそれはともかく。

錠の気持ちを慮って代弁する隆円さんにもじーんとしたけど、錠ちゃんの「わしより喜ぶ男は他にいません」にはやられたな。

錠ちゃんはもちろん、いわゆるオトナにも賢人にもなっておらず、なかなか相対することも出来ず、緊張しすぎてまた定番の名前の話をとりあえずし出してしまい、目も合わせられず、……。なんだけど、きのう書いたように、魂のレベルが一気に上がっている。愛の固まりになっている。
だから真知子母ちゃんの、いつものように本質をばしっと貫く目で見抜いた上での言葉に抵抗しない。真知子さんは「先輩」上級生だったのだなあ、つくづく。
愛の固まり。
自分のことはもうどうでもいい。我がなくなっている。あかりが喜ぶこと、それだけを考えている。
だがそれで失うものなど、実はないのだ。
愛するもののために愛を注ぐこと。
それほど豊かなことが他にあろうか。
自分が愛の源になること。
それほどの幸せが他にあろうか。

我も執着も愛の流れをせき止めてしまう。
だがそれがなくなれば、愛はこの上なく豊かに循環し続ける。

そう、すべては流れ、循環する。

なんかもううまくいえない。キーワード(?)羅列のみになってしまうが、お許しを。
キーワードすらも循環する流れの中に見え隠れして、きっちり捉えて構築できない。もっともらしく言い訳すれば、頭じゃなくて心が反応してしまうので…。
圧倒的な愛の物語。

愛、って言葉をちょっと安易に使いすぎだ、と自分でも思うけど仕方ない…。

ドラマとしては細かいつっこみどころはあるかもしれないけど、もうそんなのほんとにどうでもいい。

なにかを感じて大阪まで来てしまう欽兄にもちょっと胸キュンだなあ。
鉄平は鈍感?かも、だけど、ある意味では「本質的には全然大丈夫」と思っている、超「分かってる」奴、とも言える。ごく普通の論理の枠組みでないところで動くトリックスター。



posted by おーゆみこ at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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