2011年02月14日

【てっぱん】第116話 愛は無限 #nhk #teppan #drama

116
のぞみちゃんは何か気づいている、とか?

<トランペットを吹くあかりを見つめている橘に気づくのぞみ。橘は慌てて去ろうとするが、あかりは駆け出ていって声をかける。
「橘さんのトランペット、すっごいです!!」
浜野に聞かせてもらった録音のことを言うあかり。
「あの、どうやったらあんなふうに吹けるんですか!!」
あかりは屈託ないが、橘は目も合わせられず、そろそろ大学に戻らないと、としどろもどろ。あかりはなおも
「あの…一度…もう一度…お好み焼き、食べに来て下さい!」
だが橘は、残念だけどそんな時間はない、とそそくさと立ち去ってしまう。

あかりはゴキゲンでお好み焼きを焼きながら、浜野と岩崎に、「まるちゃん」にトランペットを聞かせてあげたことを話す。将来はバンドにいれなければと浜野、笑い合う一同。音楽は胎教にいいんですよ、とのぞみにモーツアルトのCDをプレゼントする岩崎。
「そういや、今日な、橘先生、おのみっちゃんのトランペット聞きに来たんやて」
と岩崎に言う浜野。一瞬顔をこわばらせてふりむく初音。たまたま通りかかったらしくて、とあかり。
事情をある程度聞かされたらしい岩崎は複雑な表情になる。浜野は何も知らず、
「いっぺん教えてもらわれへんかな、おのみっちゃんに」
岩崎は、橘は今週いっぱいで帰るから、と言うが、のぞみが
「でもあの先生、興味持ったみたいよ、あなたの演奏に聞き入ってたわ」
(あかり)「ほんまに?」
(浜野)「ほらな、分かる人には分かるんや!」
「でもね…」
岩崎は当惑している。
(浜野)「いっぺんでええねんて!橘先生に頼んでみてや」
仕方なく岩崎は
「わかりました、聞くだけ、聞いてみます」
「手、止まってるで」
いつもの調子で(を装って)言う初音。初音の顔を伺う岩崎。もの言いたげに岩崎を見る初音。

尾道。真知子が隆円に、初音から聞いた話をしているようだ。
「…父親がの…。あかりは?」
「気づいとらんて。あかりには…ちゃんと伝えた方がええよね」
「うーん…。なにかが、変わるかもしれんけどの…」
「はあ…情けない」
真知子は大きなため息をつく。
「何があっても、何も変わらん思うとったのに、うちが一番動揺しとる」
そこへ錠がやってくる。
「な〜にをこそこそ話しとるんじゃ」
味噌汁が、ビールが、とこもごも席を立つ真知子と隆円。錠はしばし黙っていたが
「おまえらの…。わしバカにすんのも大概にせえよ」
(隆円)「何言うとるんじゃ」
(真知子)「バカになんかしとらんよ」
(錠)「いや、バカにしとる。…何があったんじゃ。田中さんの電話、大事な用だったんじゃろ」
「それはじゃの…」
と言いながらあとが続けられない隆円。真知子も黙っている。
「…あかりの…父親でも現れたんか」
「………」
顔を見合わす真知子と隆円、それを見る錠。そして
「…やっぱりの」
(隆円)「真知子ちゃんを責めたらあかんで。お前の耳にいれんでやってくれて田中さんに言われたんじゃと」
(真知子)「ごめん……」
(錠)「真知子一人が知ってどうするんじゃ。わしも…あかりの親ど…」

上を向いてあるこうを鼻歌で歌っているのぞみ。あかりが嬉しそうにそれに気づくと、お腹の子が気に入ったみたいでよく動く、とのぞみ。
そして
「大学で続けようと思わなかったの?トランペット」
と聞く。あかりは
「…高校3年の夏に知ったんです、うちが、村上家の子じゃない、って」
「甘えられないって思ったんだ」
「はい。それに…うちを産んだ千春さんが大阪の人じゃいうて聞いて…」
「自分がどこから来たか知りたくなった?」
「…うまく言えませんけど…」
「父親のことはなにか分かってるの?」
「千春さん…音楽をやっとる、年上の人とつきあうとったそうです」
「そう…。会ってみたい?」
「…のぞみさんは、どうでした?」
「会ってみたかった。母が…どんな人を愛したのか。がっかりはしたくないけどね。でも…橘さんみたいな人だったら、いいよね」
「橘さん?」
「たとえば、よ」

尾道。
(久太)「え?会いに行く?」
(錠)「おお。先方の意向も聞かにゃいけんしの…」
(久太)「やめとけやめとけ!身重の千春ちゃんを捨てた男で?会うても、ろくな話にならんわ」
(隆円)「千春ちゃんが愛した人を、そう悪う言うな…」
(久太)「いや、ほいでもの…」
(錠)「あかりの父親なんじゃ。悪い人のはずないわい」
大阪で撮った一家の写真を見つめながら静かに言う錠。
「父親いうて…錠ちゃん!」
「父親なんじゃ」
「問題はどうやって会うかじゃのう」
「ああ…」

真知子は週末に錠と出かけると欽也と鉄平に言う。どこへいくのかと聞かれて、久しぶりにお父ちゃんとデート、とごまかしている。鉄平はともかく、欽也はなにか感じたような表情。

ニコニコしてトランペットを磨きながら、のぞみが言った「(父親が)橘さんみたいな人だったら、いいよね」という言葉を思い出すあかり。

翌朝。朝食の席で下宿人たちが、初音がいつになくぼーっとしていると話している。恋の悩みや、と民男。

あかりが初音の部屋にいくと、初音はだれかと電話をしていた。
「…ほな、駅でお待ちしてます」
あかりに声をかけられて慌てる初音。
「だれと電話しとったん?」
「誰でもええやろ」
「あ、赤うなって。もしかして…伝さん?」
「なんでやねん!」
「ふーーーん。ま、ええけど」

橘は練習場をそっと覗いてみたりしている。そこへ浜野がやってきた。
「あれ?橘先生!こんなとこで何を?」
「あ、いや別に」
「せや、岩崎先生から聞いてます?おのみっちゃんのこと」
「…え?…」

店。伝がお好み焼きを食べている。
「伝さん、朝おばあちゃんと電話しとった?」
「え?なんの話や」
「あれ?待ち合わせ、伝さんとやないの?」
「あ?あ!わ、わしやわしや!へへへ!」
「やっぱり」

そこへ浜野が駆け込んできて、橘が個人レッスンをしてくれると伝えた。
「凄いことやで!作曲家の先生、独り占めや!」
顔色を変え固まる伝。
橘は明日東京へ帰ってしまうので、今から練習場に行こう、と浜野。のぞみは、後片付けはやるから、とあかりを送り出す。大喜びでトランペットをとりに自室へ駆け上がるあかり。

伝はアワアワと初音に報告しようとする。だが慌てすぎて要領を得ない。初音はこれから村上さんを迎えに行くので急いでいるのだとうるさがる。そこへちょうど戸が開いて、隆円がやってきた。
「村上の夫婦に頼まれまして、一足先に参りました」

伝が伝えきれずにいるうちに、あかりはトランペットを持って降りてきて、橘先生がレッスンしてくれるので出かける、と初音に直接言ってしまう。
「おばあちゃんは伝さんと、ごゆっくり!」
「………」
呆然とする初音>

ギャグっぽい定型の大騒ぎをしない錠ちゃんにじーんとする。
それだけ本当にあかりのことを考えているっていうことだ。自分の感情に任せていない。心の中は不安や寂しさが渦巻いているだろうに。

そして、むしろ自分が今の錠さんのような立場であったときには落ち着いていた真知子ママが、動揺している。自分のことは、自分の気持ちは、自分で折り合いを付けられる。でも愛する他の人の気持ちが揺れるときのほうが辛い。
このドラマの登場人物はみんながみんなそうだ。

錠さんはまた、父親として、父親の気持ちに共感してしまうのかもしれない。初音さんがどこまで真知子に話したのか分からないが、父親とは名乗りでないでくれと頼んだことは言っただろう(彼らをとりあえず安心させるために)。それで錠さんには橘さんの苦しさが伝わってきた。

「あかりの父親が悪い人のはずがない」
これだってそうだ。たかが血縁、されど血縁。父親を否定したらあかりの半分を否定することになってしまいそうだ。

錠ちゃんが今までなにかと「アタマに血が上って」ギャーギャー騒ぐ、という風に描写されてきただけに、このコントラストが凄いと思う。それだけ、深刻で重いこと。

のぞみがなにか気がついたのかも、というのは読み過ぎかもしれないが、あり得なくもないと思う。のぞみ自身にとって必要なことだからこそ、必要なことが直感として見えるかもしれない。父親を知りたかった自分。父親を否定していない自分。それを思い出したら、今のお腹の子供に対しても、父親を否定してはいけないと思える。復縁するとか、子育てにはやはり父親が必要、とかいう帰結では必ずしもなく、結局別の人生を歩むにしても、たとえいっときであっても愛し合って出来た子供にその愛を伝えなければならない。愛に満ちた世界に(何度も言うが、形として「整っている」かどうかは問題ではなく)生まれてきたことを知らせなければならない。

愛は決まった量を「分け合う」ものではないから。
あかりの本当の父のことをあかりが知り、あかりがその人を愛するとしても、錠パパにあかりが寄せる愛にはなんの変化もない。それどころか愛は相乗効果でますます増えていく。
しばしば言われることだが(そういや徹さんも言ってた)、自分の子供が出来たら、それまで好きではなかった子供が「みんな」愛しくなった、と。
この間話した私の友達も、旦那さんの浮気で離婚してからむしろ、世界が愛しくなったと言っていた。生きとし生けるものが愛しい、と。虫とか植物とかも。
私も、ゴキブリですら愛しかったもんね(結局ゴキブリよけ設置しましたが(^_^;)。
ともかく、愛というものは決まった量があってそこから足したり引いたりするもんじゃない。与えれば与えるほど湧き出てきて、与えれば与えるほど受け取れる。

もちろん、「執着」ではない愛のことを言っている。
執着を愛だと勘違いしている人は、愛を単純な引き算や足し算で考えてしまうのだろう。


posted by おーゆみこ at 13:04| Comment(0) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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