2010年10月09日

第12話 あらすじも端折れません #nhk #drama #teppan

欽兄、グッジョブ過ぎ。(T-T)

<春。大阪への就職を決めたあかりも、卒業を迎えた。だが加奈は音大の推薦入試に失敗したようである。だが鉄平をつかまえて、おちこぼれ同士記念写真、とはしゃぐなど、落ち込んではいない。鉄平は「就職浪人」なのだった。

あかりはもう翌日に出発するというのに、錠はまだ未練たらたらで、フェリーの受付の女の子が結婚退職するらしい(ので代わりにあかりはどうか)などとこの期に及んで言っているが相手にされない。あかりは屈託なく、使っていたものさしを錠に挙げてしまったりしている。呆然としてしまう錠。布団の袋を運びながら、父ちゃん泣いとるんか、などとからかっている鉄平。あしたの見送りは号泣じゃな、と言われ
「あしたは進水式があるけん、見送りにはいかれん」
ええ!と驚くあかりと鉄平。
「仕方なかろう、わしの鉄板が船に使われとるんじゃ」
「まったく、町工場のオヤジが出んでも、ナンも問題なかろうに」
「!」
気色ばむ錠。おまえに何が分かる、毎日ぶらぶらしとるもんに言われとうない、と怒鳴る。慌てて割ってはいるあかり。
錠は機嫌悪げに立ち上がり、篠宮造船に行ってくる、準備があるので今日は帰らない、と言い捨てて去る。明日大阪に行く最後の夜なのにとあかりは悲鳴のような声を上げるが錠は行ってしまった。複雑な表情の鉄平。

そこへ帰ってきた欽也はあかりと鉄平のそれぞれに通帳を作ってきていた。
あかりの通帳には独り暮らしを始める選別として10万円も入れてくれている。だが
「兄ちゃん、なんで俺のは、いち、じゅう、ひゃく、せん…千円なんじゃ!」
「進学も就職もせんやつは、それで十分やろ」
すると真知子が
「そんなに責めんといてやって…。なんも考えとらんわけじゃないんよ」
と立ち上がって何かを引き出しから出してくる。
「ねえ!あとは社長面接を残すだけじゃ」
稚拙な文字での手書きで「履歴書」とあり、志望動機には村上鉄工所で父ちゃんの後を継ぐ、云々と書いてある。
「鉄兄!」
「…ほうか!」
と欽也。
「親は子供がそばにおったら嬉しいもんやて、お父ちゃん言うとったけんの」
少し照れくさそうな鉄平。

造船所に行く欽也と鉄平。進水式を控えた船のそばで
「鉄平、どこが父ちゃんの作ったとこか分かるか」
と欽也。
外からは見えん。外からは見えんでも、目立たんでも、父ちゃんの鉄板がなけりゃ、この船は動かん。世の中のたいていの仕事がそういうもんじゃ。そこにプライドを持ってるもんが…世の中を支えとる」
船の鉄板を思いを込めるように外側からさすったり叩いたりしてみる鉄平たち。

錠は、久太のいる事務所で酒を飲んでいた。欽也と鉄平が入っていく。
「父ちゃん、ちょっとええか」
と欽也。
「今夜は帰らん言うたやろ」
と錠。
欽也は黙っている鉄平を促し
「あとは自分で言い」

「なんじゃ?」
「…おれ…弟子になろう思う」

「弟子?弟子って、どこの誰のね」
と隆円。

「村上鉄工所の、村上錠のじゃ!!」
叫ぶ鉄平。

「ほうか!良かったの、錠ちゃん!」
と久太。
「………」
錠は黙ったまま、じっと鉄平の顔を見る。
「何が…なに今更…勝手なこと…」

そのとき外からトランペットが聞こえてくる。
あかりと加奈が、「威風堂々」を吹いている。
「…最後の演奏会の、やりなおしじゃあ」
と窓を開けてそれを見た鉄平。
「二人とも、ええ顔しとるわ」と欽也。
「中学からずっと一緒に吹いとったけえ」と久太。
「乾杯じゃ、あかりと加奈と、鉄平の旅立ちに!」と隆円。
グラスに酒(?)を注いで乾杯する一同。錠は黙って座ったままだが、その手に持ったグラスにそっと自分のグラスをあてる鉄平。ちらっと鉄平を見やって、酒を飲む錠。

あかりと真知子は2人だけでお好み焼きを焼いている。
「さあ、食べんさい、これよりおいしいお好み焼きなんて、どこにもないはずよ」
「…お母ちゃんの味じゃ。…お母ちゃんの、匂いじゃ!」
ほおばりながら、目に涙をためるあかり。鼻をすすり
「…美味しい…」
「忘れななさんなよ!」
そういう真知子も涙声だ。

翌日。進水式。大勢の子供たちが投げ餅に参加している。

フェリー乗り場まであかりを送ってきた真知子と鉄平。そこで真知子は、これ父ちゃんから卒業祝いだ、と、リボンのついた携帯電話を渡す。
「社会人になったらいう約束じゃったろ?」
「…お世話になりました、ぐらい言うべきじゃった…」
「嫁入りかい」
突っ込む鉄平。

進水式で、あいさつに立つ錠。自分の名前をのべ、
「金偏に、定めると書いて錠でございます!長男が、金欠也と書いて欽也。こともあろうに、信用金庫勤めでございます!」
「きみの、お父さん?」
欽也のとなりにいた信用金庫の部長。苦笑する欽也。
「次男が、金を失う、と書いて鉄平。名前をつけてしまってから気づいた次第であります! そして! 末娘の…末娘の名前は!」
わめくようでありながら涙声になっている。
とっさに携帯電話を取り出す欽也。

フェリー乗り場に向かって歩くあかりの携帯が鳴る。
「?」
あかりが出ると、錠の声が聞こえてくる。

「あかり、希望のあかりでございます!ずっど…ぞばにおいておきたいのが、本音でございばず…。この大海原で…荒波に飲まれんか、座礁したりせんか、心配で、心配で…」

「安全性は完璧でございます、安全性は完璧でございます」
慌てて客たちにフォローして回る久太。

携帯を、鉄也も真知子も耳を寄せて聞いている。
「18年間、大事に、大事に、育ててきた…愛娘の旅立ちでございます」
「お父ちゃん…」
涙ぐむあかり。

フェリーがもう出る、と係員がせかす。

「どうが…無事で…どうが…無事で……」
もうええ、と制止する久太。

携帯を耳に当てたままフェリーに走りながらも、嗚咽するあかり。

鐘が鳴り、ワイヤが切られ、くす玉が割れた。ファンファーレが鳴る。いよいよ進水だ。
なんと錠はマイクに向かって「瀬戸の花嫁」を歌い出してしまった。

「瀬戸は…ひぐれて…夕波、小波…あなたの島へ…嫁いでゆくの…」
ファンファーレを奏したブラス隊は顔を見合わせるが、歌にあわせて伴奏を始める。音を拾おうと携帯を高く掲げる欽也。

「若いと、だれもが、しんぱーいするけれど…愛があるなら、大丈夫なの…♪」

(こうしてあかりは、尾道から大阪へ、嫁いでいきました…。いや、違う。違います! 旅だっていったんですわ…)とナレ。

「行ってくるけんね!行ってくるけんね!」
携帯越しの錠の歌を聴きながら、真知子と鉄平に力の限り手を振り続けるあかり。

大阪では、初音が「空き部屋あります」という張り紙を書いていた>

いやああ。きょうは朝から忙しかったから普段はあらすじも私評もサボリがちなのに、ついつい、あらすじを。しかもどこも端折れない、困ったことに。

まあ今日は、なにもクダクダ言う気にはならないね。細かいツッコミどころはあるとしても、どうでもいいやんそんなの。これはファンタジーだから。
私の得意なご教訓的なことも今回は黙ってよう。きょうはただ味わうのみ。

それにしても欽兄が素敵すぎる。正直言って、登場人物紹介を最初に見たとき、まったく期待してなかった。こう言うたらものすご申し訳ないけど、容姿的にも、立場的にも、さして面白くないと思ってた。まこれも言うたら申し訳ないけど、ゲゲゲでも布美枝の長兄はあまり物語に絡んでこなかったよね。それと同じぐらいの感じかと思ってた。スマンカッタ、欽兄。
とっさに携帯で「中継」することを思いつく瞬間が、も〜萌えまくり。

ツイッターでもしきりに言われているのが、「ちりとて」との類似。そうだよね、これはたしかにちりとてを彷彿とさせる。小次郎おじちゃんと弟正平との大漁旗振り、そしてお母ちゃんの「ふるさと」熱唱のあの場面。
あれも2週目の土曜日だった。そこまでがあまりに良すぎて、みな、大阪に行ったらどうなるんだろう、とちょっと警戒していたけど、そこからまたすんばらしかったわけで。
このドラマもそうだといいな。尾道の人たちもこれからもたくさん出てきてほしいし、大阪のおもろい愛すべきキャラにも期待する。
ともかくここまでは期待以上だった。愛してしまった。だれもかれも。やっぱりこれが、私にとっては多少余裕のある秋冬期で良かったな。


posted by おーゆみこ at 00:00| Comment(6) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
泣きました。放送見て、O-yumikoさんのあらすじ読んで。私もこのドラマ愛しちゃったようです。ゲゲゲも楽しく見ていました。あれは実在の人物の実話を追っているので、どちらかと言えばストーリーより役者さんの魅力を追っていたのかもしれません。あともちろん水木しげるさんの人物そのものと。「てっぱん」はいきなり懐に飛び込んできた感じです。見ていて、娘の気持ちになったり親の気持ちになったり、感情が揺さぶられて忙しいです。毎回どっかでウル目になってます・・・そして土曜日で一気に欽兄ファンに。
Posted by Mee@ご無沙汰してます at 2010年10月10日 07:09
おーゆみこさんの筆には、ファンタジーを育てる柔らかさがありますね。大変なお手間と気遣い、こんな温かい場をつくってくださって、改めて心からお礼を申し上げます。

欽兄の「たいていの仕事がそういうもんじゃ。そこにプライドをもっとるもんが世の中を支えとる。」に胸を打たれます。ちりとての、スポットライトをあてる側、そして皆が自分の人生のど真ん中を歩いているというメッセージが脈々と波打っていますね。

愛宕山に行ってきました。鉄兄の意外なほど落ち着いた佇まいにプロ意識を感じ圧倒されました。十代にして芸歴15年、朝ドラも6回めだそう。欽兄のパンチは早すぎて見えないくらいだそう(鉄兄がいずれは誰かを守れるぐらいになりたいとかで、空き時間に指導を仰いでいるらしい)。兄貴肌。エンケンさんはリハ時点で(お忙しいにも拘わらず)セリフが完璧に入っておられるとか。とても熱い方で、海辺CPと飲んで抱き合って泣いたことも。安田さんは終電に間に合えば家に戻られる、セリフを覚えられるのは新幹線の中だけ。その母としての思いが生きている。ドラマが好きになれるのって嬉しいです。演じる役者さんのありようにまで目がいくから。
ダンスも意外に楽しかった。振りにそれぞれ楽しい意味があって、ホームページを見てちょっと覚えてみるのも一興かも。
Posted by いとぱん at 2010年10月10日 10:25
ドラマと私評を見て、素直にほっこりしたり笑ったり泣いたり…そんな気持ちになっています。おーゆみこさんも書かれていますが、欽兄が素敵過ぎ!自分が若かった頃「お兄ちゃんが欲しい!」と切に思ったことがありましたが、正に欽兄のようなお兄ちゃんが欲しかったかも… 親とぶつかった時や何かすれ違っている時に間に入って助けてくれる頼りになる存在というか、お兄ちゃん。お姉ちゃんじゃなくてお兄ちゃん。(自分語りになっている)

鉄兄も、多分ずっと「父の後を継ぎたい」と思いながらも己の意思の堅さを自問自答したりと葛藤していたのだろうな。あの「弟子になろうと思う」と言ったシーンは、隆円が「誰の?」と言わなければ、確かにあの場では、父:鉄工所、隆円:お寺、久太:造船所の3種類の職場?があったわけで… ちょっと可笑しかったです。

いとぱんさんは、愛宕山に行ったのですね。私はその時間は障子の張替えしてました(^^;いつかそのうちにトークショーの内容が放送されることを楽しみにしています。
Posted by LIMIT at 2010年10月10日 16:11
土曜日、私はちょっとノレませんでした。
鉄兄も欽兄もよかったし、演奏会仕切り直しもよかったし、真知子とあかりの涙のお好み焼きもすごーくよかった。
あのシーンでの選曲が「瀬戸の花嫁」なのも、ナレーションが「お嫁に行ったんですわ・・・いや、違う」なのもすごくいい。

でもねー、錠が大声で歌うっていうのがね・・・「ちりとてちん」とあまりにもかぶり過ぎるんです。もっと他の見送りの仕方はなかったのかなあと考えてしまいました。
あと、あかりの「行ってくるけんねーーー」は「ちりとて」よりもむしろ、「ちりとて」意識してる?と思った「ウェルかめ」を思い出してしまった。

なんだろうなあ、時々「ちりとて」が顔を出すんですよね、このドラマ。母娘の確執というモチーフでは「つばさ」を思い出すし(実際、「つばさ」の脚本協力スタッフが今回も入ってます)。過去の作品の引用はよくありますけど、一番肝心なシーンでそれをやられるのはちょっと・・・感情移入できないです。
Posted by しまじろう at 2010年10月11日 02:02
ほんとはねぇ。あれっていう感じもありますわ。個人的にツボだった金曜のあとだけに、それを上回るのは難しい。どうしても予定調和。ただ、一回一回予想を超える出来というのも人間業とも思えず。自分にはわからない現場の御苦労、はじけそうな思いに期待して、今後をとても楽しみにしています。
Posted by いとぱん at 2010年10月11日 10:21
おーゆみこさん、皆さん、こんにちわ。「ちりとてちん」以来の嵌りで来ました。

どなたかも書いておられたように、2がキーでしょうか?
海へのトランペット投込みとダイブ救出が2回、父と母の場面ごとに変わる温度差、兄二人のキャラの違い、父の友人二人の芸風の違い、交互に挟む2つの場面のテンポ良い切り替え、2つ目のケーキを食べる初音。
1だとありふれた設定、3だとシツコイになるのですが、2だと程良い強調と対比とハーモニーになって引き付けられます。

ただ、初回は、ドラマのインパクトはあるものの、海へ物を投げ込んではいけません、と突っ込んでいました。
Posted by 草草 at 2010年10月11日 12:28
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。