2010年10月07日

第10話 押し込め切れない  #teppan #nhk #drama

時間が立つに連れてむしろ混乱がひどくなるのは、案外リアルだ…。

<あかりがこないことを聞いた加奈は呆然とするが、あかりの座る椅子を片付けようとする生徒に、そこに置いておこうと主張。

演奏会にはがんばって仕事を早めに片付けた錠と真知子もやってくる。ところが幕が上がってもステージにあかりの姿がない。あれがうちの娘だとはしゃいでいる加奈の父親をよそに、憮然とする二人。

あかりがいないまま演奏会は進んでいく。黙りこくって座っている錠と真知子。出入り口の近くで鉄平も舞台を見つめている。あかりの座っているはずの席にはトランペットだけがおいてあった。
「また…水にはまっとるのかねえ?」
と真知子。
「また…ってお前、それ幼稚園のときのことじゃろ…」
「………」
当惑を隠せない二人。
ついに最後の曲「威風堂々」が始まってしまう。

あかりは面接を終え、演奏会場の外まで来ていた。
外に漏れ聞こえてくる曲にあわせ、トランペットを吹く指使いをする。
そして演奏が終わると、両手を頭の上にあげて思い切り拍手し続けた。泣きそうな表情で…。

外に出てきていた鉄平がそれを見つけて声をかける。父ちゃんも母ちゃんも、お前の最後の演奏会じゃと無理して見にきてくれてる、と言うが、あかりは目に涙を溜めながらも笑顔を作り、楽屋に行ってくると走り去る。

楽屋口から外に出たところ。吹奏楽部員たちは車に楽器を積み込みながら、互いに写真を撮ったりと楽しげに騒いでいる。そこにやってきたあかりに、真っ先に加奈が気づく。
「あかり!」
「お、…おーう!」
ぎこちない笑顔で手をあげて答えるあかり。
「おーうじゃないよ!?」
駆け寄る加奈。
「あかり?」
他の部員たちもいっせいに駆け寄ってくる。

他の客たちが去ってしまっても、錠と真知子は半ば放心したように席に座ったままだ。

堤防で、加奈とあかり。最後の演奏会に出ないなんてことまでして尾道での就職にこだわるあかりが分からない、と加奈。
「……。うちも、分からん…」
大の字になるあかり。
「…うちがだれなんかも、よう分からん」
「……どういうこと?」
あかりのそばにしゃがむ加奈。
「うちね………。………。 ……養子じゃったんよ」
「……え…?…」
「お父ちゃんも……お母ちゃんも……。………。欽兄も、鉄兄も…ほんとの家族と違ったんよ」
「…………」
とっさに言葉がない加奈。
「でもね…。ほんとの娘のように……ほんとの妹のように、育ててくれた。えへ、それって、すごいことじゃろ?……感謝せんとね」
立ち上がるあかり。
「びっっくり、したじゃろ?」
いつもの調子を装って明るく加奈に言うあかり。
「なんで……なんでそんなこと…」
加奈は言いかけるが言葉が続かず、あかりを抱きしめて泣き出す。
「もう〜!なんで加奈が泣くんよ、泣きたいのはうちのほうよ!」

村上家居間。沈痛な面持ちで座っている錠と真知子、そして鉄平。
「最後の演奏会だったのに…」
「……就職は、大事じゃ…」
「父ちゃんが、尾道尾道あおったけえの!」
大阪ならよい条件の会社がいくつかあったのにあかりは大阪はいやだと言ったと教師が言っていたことを話す鉄平。
そこへあかりが帰ってくる。
「あかり?」
「てへへ…。どうも、…です」
照れ笑いをしながら入ってきて、そこに座り
「だまってて…ごめんなさい!」

「なに謝る必要がある。お前の人生じゃ、お父ちゃんのう、お前の味方じゃ。どんな仕事でも、お前が納得できる仕事なら、どんどん挑戦すりゃええ」
「父ちゃんはあかりをそばにおいときたいだけじゃろ!」
と鉄平。
「悪いか」
「おれは、あかりは好きな音楽を続けるべきじゃと思う!」
「やめんさい」
たしなめる真知子。

「あかり…やっぱりあんた、大阪から戻ってからなんか変じゃね。なんか、無理してる」
「そんなこと…」
「大阪でなんかあったんか。なんか言われてきたんか、あのベッチャーに!」
「…ないよ!なんもないよ!」

そこへ何も知らない欽也が帰ってきて、演奏会はどうだった、やっぱり最後はボロ泣きか?などと気楽に話しかける。それに構わず
「あんたがええなら、それでええわ!」
と突き放すように言う真知子。そして立ち上がり、わざとのように欽也や鉄平の前をまたぐようにして去っていってしまう。
あかりも憤然と自室にいってしまう。
「ど、どした?」
欽也だけがうろたえている。
「間が悪すぎなんじゃ!」
と鉄平。

明かりをつけないまま部屋で
「やっぱり、ベッチャーじゃ。ぜんぶ、ベッチャーのせいじゃ!」
叫びながらベッドに大の字になるあかり。

翌朝。真知子の姿がない。血相を変える鉄平、錠、あかり。

真知子はそのころ、初音のところを訪ねようとしていた>

windowsではなくてubuntuというOSをインストールしたPCで書いているが、このデフォルトの日本語システムが大昔のマックのことえりなみにアホでかなりしばしば苦笑。きのうもメイン曲と書くつもりで「目陰極」…ってなにさ。
「演奏会場」とうつつ森が…いや、だから、鬱つもりが……だーかーらー。「打つつもりが」、
「演奏家異常」
そうですねあかりは今異常ですね。打ち直したら次は
「演奏会錠」
はい、錠も演奏会に来てましたね。
だーーかーーらーー。
あらためてATOKえらいんだな、と思う。

さてそれはともかく、だ。

最初の時「なんでもない!」ことにしようとして、みんなで一生懸命ふたを閉めたけれど、それでかえって収拾がつかなくなるくらい暴れだしている。
やっぱりここは最初から、鉄平の直観がある意味で正しく(とはいえ彼も自分の思い込みで突っ走るという点はときに大間違いをやらかすとは思うが)、隠すのではなく引きずり出して「対決」し、その上でねじ伏せ「恐るるに足らず!」と笑い飛ばしてやればよかったのだ。
だがもちろん初めからみんながみんな鉄平のようだったら、それはそれであかりが必要以上に傷ついたかもしれないのだが。
「ちりとて」でも、ときどきお母ちゃんがこんな感じだった。空気が読めない、と言われていた。みんなが気を遣ってビクビクしている所をずっぱり能天気に切り込んでいく。
そのとき確か書いたような気がするが、いわゆる「KY」というような言葉が通用してしまう、つまり空気を読むことをだれもが互いに期待しあい、それをしない人を一方的に糾弾するような風潮はちょっとおかしいかもしれない。とはいうものの、だれもみな傍若無人に「直感的に」行動したらそれもたまらないけどね。
でも、KYがときとして場を動かす。気を遣うタイプの人も、だれかのKYっぷりが何かの意味をその場で持っているかもしれないと考えるのは有効かもしれない、一般論として。

今回一番KYしてしまったのが、普段は全方位に気を使いまくりの欽兄だったところがなかなか深い展開だのう(かな?)。

お父ちゃんは、「お前の味方だ」と言うが、きのうも書いたが、何をどうすれば味方として相手を利することができるのかはよく分かってないし考えていない。でもまあ、「そばに置いておきたい」と思ってしまうことは父親としては当然だ。そのことで、「盲目的な父親の愛」を伝えているとすればそれは結果的に正解である。でも、お前の味方だ、お前の人生だから好きにしろ、というのはむしろ違う。これまた鉄平が遠慮もなく言ってしまうように、あかりを自分のそばに置いておきたいのだ!と言う論理、いや感情そのもので動いているんだよ、と認めてしまう方が良い。だから鉄平の指摘に「悪いか?」と返したお父ちゃんは良かった。だが「お前の納得いくようにしたらいい」というのはこの場合はむしろ、互いの遠慮の気持ちを際立たせてしまう。

ゆっくりじっくりの姿勢だったお母ちゃんが感情に突き動かされ始めた。いや、というより真知子さんもやはりずっと混乱しっぱなしだったのだろう。あかりへの愛情はもちろん揺るぎないが、どうしたらいいのかは迷いっぱなしだ。

だがだれもかれもが混乱してきて、エネルギーがますます渦巻き始めている。みんながみんな、あふれる愛とエネルギーをポテンシャルとして抱えているだけに。
押し込めてふたを閉めたゴミ箱の中のなにかが、爆発寸前だ。もう抑えられない、一度爆発させて、それからきちんと掃除しなければならないのだ。もともとは、たいしたシロモノじゃない。押し込めたから発酵してしまっただけ。


posted by おーゆみこ at 12:19| Comment(5) | TrackBack(0) | てっぱん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちりとて以来お久しぶりです。
朝3回、昼、今おーゆみこさんの私評を読んで(┬_┬)。たぶん夜、吹部帰りの娘が録画を観る時また泣けるでしょう。でもそれは吹部だから威風堂々だからではないのです。
子どもが混乱している。隠しても隠しても混乱しているのがわかる、それがいとおしい。家族一人一人の気持ちが手に取るように分かる。それを文字にして表してくださっていつも感謝しています。あらすじ復活でホントに嬉しいです。
Posted by ゆみんがー at 2010年10月07日 14:46
今日の回、どうも入り込めないなにかがありました。
なぜだろう...。考え中です。
(「泣ける」予告に身構えてしまったからというのもあるのかな)
Posted by at 2010年10月07日 15:56
鉄平は、朝ドラにありがちなヒロインを一方的に思うウザキャラの変形だと最初は思っていました。ですが見ていくうちに、ウザいところも確かにあるけどそれだけじゃない、ヒロインを本来あるべきところに導く、直感にすぐれたヤツでもあるのだと分かってきました。
同様に、おーゆみこさんも指摘しておられましたけれども、欽也もしっかりしてるようで、今日のような場面ではああいう役回りなのが、パターンをちょっと外した感じで面白いですよね。

このドラマではあかりをはじめ登場人物が皆、一見ステレオタイプのように見えて実はそうでない、いろんな内面を抱えたまさに「生きた」人間として描かれていて、多少強引な展開であっても許せるのは、そのあたりが大きな要因かなと思います。

それにしても「また逢う日まで」の次は「威風堂々」ときたか、この切ないシチュエーションでこの選曲、やられたなーという感じです。

もっと尾道の人たちを見ていたいという気もするけど、こうなったらあかりが本当に大阪に行かないと何も解決しないですからね。ネタバレ見なくても週末の展開は予想がつくけど、錠が仕事を任された船の進水式とあかりの船出の絡みをどう見せてくれるのか楽しみです。
Posted by しまじろう at 2010年10月08日 00:42
フライングです。

声をあげて泣いてしまいました。

東京方面のファンのみなさん、9日一時半から、欽兄、鉄兄に会いに、踊りを習いに、愛宕に行ってみませんか。

遠藤CPの講演会以来二度目、ちりとて熱再び・・・です。
(ほんとうにいろいろなご意見があるようで
あくまで好きな方に向けて)。
Posted by いとぱん at 2010年10月08日 08:44
>windowsではなくてubuntuというOSをインストールしたPCで書いているが、
>このデフォルトの日本語システムが大昔のマックのことえりなみにアホでかなりしばしば苦笑。
私は、windows を使っており、「google 日本語入力」を使っています。「google 日本語入力」とATOKは一長一短があるようなのですが、「google 日本語入力」はフリーです。default の日本語入力システムに比べれば「神」です。「かんじやしほり」とタイプすると「貫地谷しほり」と変換されます。
ざっと調べたところ、スキルがあれば、ubuntuでもインストールできるようですよ。ただ、windows版とは違って、google がWeb から集めてきた固有名詞の辞書が含まれていないようなので、どれだけ有用なのかはわかりません。
Posted by tweety at 2010年10月11日 23:12
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